2024年2月1日
1日当たり368万1千本、過去2番目の高水準
ヤクルト本社が40%出資するヤクルト フィリピン(比ヤクルト、持分法適用会社)は、2023年10月に事業開始45周年を迎えた。比ヤクルトは1977年5月25日に設立され、翌年の1978年10月に事業を開始した。ルソン島南部のラグナ州カランバ市に立地するカランバ工場(第1工場)にて「ヤクルト」の生産を開始し、現在は「ヤクルト」、「ヤクルトライト」の生産を行っている。2022年末の従業員数は1,434人、ヤクルトレディは4,119人、取引店は12万4,479店。
日本と同基準の厳しい品質管理の下に製造された「ヤクルト」類を1本20円台という低価格で販売してきている。「ヤクルト」は、医薬品を購入する余力のない低所得層にとって安価な栄養食品であり、庶民の強い味方として知名度も高い。健康飲料として支持を得ている「ヤクルト」の人気が一段と高まっている。したがって、販売も堅調に推移している。
比ヤクルトの1日平均販売数量は、2011年から2019年まで9年連続で販売本数が増加、そのうち2014年から2018年までは5年連続の二桁増加という成長を見せた。2007年に1日当たり販売本数は100万3千本と100万本の大台突破、2015年に同213万9千本で200万本突破、2018年は同300万本台突破と順調に拡大してきている。2020年は世界的な新型コロナパンデミックで10年連続の増加はならなかったが、小幅減少にとどまった。そして、2021年は同16.8%増の353万9千本、2022年は同6.7%増の377万7千本と2年連続で過去最高記録を更新するに至った。
2月9日のヤクルト本社の2024年3月期第3四半期決算発表補足資料などによると、2023年(1月~12月)の比ヤクルトの1日当り販売数量(速報値、以下同様)は前年比2.6%減の368万1千本だった。小幅減少は2022年までの2年連続の過去最高更新の反動という要素もある。依然、過去最高に近い水準での推移であり、新型コロナパンデミック発生直前2019年の319万6千本からは約15%増加している。
海外市場ではインドネシアの636万6千本、中国本土の480万5千本、メキシコの383万8千本に次ぐ世界第4位。そして、前年比に関しては、1日当たり100万本以上の主要市場の中では、ベトナムの14.9%増、メキシコの4.2%増に次ぐ堅調な推移となっている。
このようななか、比ヤクルトは、ミンダナオ島北部のミサミス・オリエンタル州エルサルバドール市にフィリピン第2工場を建設している。2019年6月に着工、現在、建屋は完工している。そして、間もなく生産が開始される見込みである。最大生産能力は、1日当り320万本を見込んでいる。すなわち、フル稼働時には比ヤクルト全体で同740万本(第1工場420万本、第2工場320万本)まで拡大、現在の生産能力を約76%上回る見込みである。このミンダナオ島での第2工場の稼働により、新たな飛躍が期待される。