2018年12月20日
教育機会では全項目世界1位(149カ国中)
スイスの経済研究機関「世界経済フォーラム(WEF)」は12月18日、世界各国の政治、社会、経済面での男女格差を総合的に評価した「世界男女格差(ジェンダーギャップ)報告書2018年版」を発表、そのなかで、男女平等度を指数化、ランキングしている。
男女平等度ランキングは1.経済活動への参加・機会、2.教育機会、3.健康・寿命、4.政治参加・関与という4大分野(各分野にはさらに細分化された調査項目がある)で男女平等度を比較、順位付けをおこなっている。2018年の調査は149カ国・地域であった。
2017年世界男女平等度指数トップ10は、1位アイスランド、2位ノルウェー、3位スウェーデン、4位フィンランド、5位ニカラグア、6位ルワンダ、7位ニュージーランド、8位フィリピン、9位アイルランド、10位ナミビアとなった。下位グループは、145位チャド、146位シリア、147位イラク、148位パキスタン、最下位の149位がイエメンであった。
フィリピンは前年の10位から8位へと2ランク上昇、例年通りアジア地域では断トツである。東南アジアでフィリピンに次ぐのはラオス26位である。そして、シンガポール67位、タイ73位、ベトナム77位、インドネシア85位、ミャンマー88位、ブルネイ90位、カンボジア93位、マレーシア101位、東ティモール124位となっている。
その他の東アジア諸国では、モンゴル58位、中国103位、日本110位(前年114位)、韓国115位とランクされている。日本は、女性議員数が少ないことや女性首相を出していないこともあって、以前から低い評価であったが、今年は低位置ながら4ランク上昇した
フィリピンは2013年5位、2014年9位、そして2015年6位、2016年7位、2017年10位と世界ベスト10の常連となり、アジアでは断トツの男女平等度となっている。フィリピンの項目別内訳(サブ指数)は、経済活動への参加・機会14位、教育機会1位、健康・寿命42位、政治参加・関与13位。すなわち、教育機会が149カ国中トップになっている。
教育に関しては、識字率は女性が男性の1.01倍で1位、初等教育入学率は女性が男性の1.01倍で1位、中等教育進学率は女性が男性の1.19倍で1位、大学など高等教育進学率は女性が男性の1.32倍で1位と全項目で1位となっており、当然のことながら教育全体で1位となっている。
健康・寿命に関しては、男児出生に対して女児出生は0.94倍で114位と低い評価であったが、平均余命は女性が男性の1.08倍で1位となっている。また、経済への参加・機会に関しては、女性の労働力参加が男性の0.67倍で全体の106位と低いが、専門・技術職は男性の1.39倍で1位、管理職等は男性の1.06倍で1位となっている(18年12月18日の世界経済フォーラム発表より)。