既に比トヨタ51%保有、三井物産などと協働
大手商業銀行であるメトロポリタンバンク&トラスト(メトロバンク)グループの持株会社GTキャピタル・ホールディングス(GTCAP)は、6月28日、フィリピン証券取引所(PSE)に対し、「トヨタ自動車へ最大で222億円(約2億米ドル)相当の出資をおこなう」と報告した。
この報告によると、GTCAPは、東京証券取引所において、222億円相当の株式を市場価格で取得、取得資金は融資で賄うとのことである。トヨタ自動車の約23兆2,195億円という時価総額(6月28日現在)から見ると約0.1%の出資に過ぎないが、フィリピンでトヨタ車事業を主導しているGTCAPが、トヨタ自動車本体にも出資するということが注目される(18年6月28日のフィリピン証券取引所回覧04413-2018号より)。
GTCAPは、フィリピンにおいて、トヨタ車を事業を積極展開している。トヨタ自動車の製造・販売拠点であるトヨタモーター フィリピン(TMP)の株式保有比率を51%に高めているほか、有力販社であるトヨタ マニラベイ(TMBC)の58.05%を保有している。さらに、2014年9月には、トヨタ ファイナンシャルサービス フィリピン(TFSPC)株式40%を取得した。これらのトヨタ関連各社の業績が総じ堅調に推移している。特に、TMPの強さが際立っている。
TMPは、1988年にトヨタ自動車のフィリピン車両製造/販売拠点として設立された。すなわち、設立30周年を迎えつつある。出資比率はトヨタ自動車34%、 三井物産15%、GTCAP51%となっている。現在、「ヴィオス」や「イノーバ」を現地生産しているほか、各種乗用車、商用車の輸入販売、国内向け部品販売、部品輸出などを手掛けている。また、販社「レクサス・マニラ」を通じて、ハイブリッド車を含む各種レクサス車の輸入販売を行っている。2009年1月に開業し今年9周年を迎えた「レクサス・マニラ」は三井物産との合弁企業であり、TMPCの出資比率は75%、三井物産の出資比率が25%となっている。
2017年のTMPの売上高は前年比18.9%増の1,853億ペソ、営業利益は同7.2%増の168億ペソ、帰属純利益は同10.7%増の132億ペソへと増加、過去最高益更新を続けている。そして、帰属純利益は現地トップクラスの企業に匹敵する水準となっている。
TMPの帰属純利益は2013年が前年比50%増の42億ペソ、14年が同71%増の72億ペソと連続で急増した。そして、15年には100億ペソの大台を突破、さらに、16年、17年と続伸し、3年連続で100億ペソの大台を突破している。そして、5年前の2012年と比較すると、売上高は2.6倍、帰属純利益は4.7倍、株主資本は2.4倍へと拡大している。