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フィリピンサンミゲルの飲食事業の大統合が完成

2018年7月9日

フィリピンを代表するコングロマリットとなったサンミゲルの食品と飲料事業の大統合が完成した。
 
 大統合の方法は、食品子会社であったサンミゲル ピュアフーズ(PF)が授権資本額を24億6,000万ペソから120億ペソへと大幅増額したうえで、サンミゲル向けにPF新株約42億4,255万株(44%)を発行する。このPF新株約42億4,255万株の価値は約3,363億ペソと試算された。

 サンミゲルは、PF株44%取得費用約3,363億ペソを、保有するビール製造子会社サンミゲル ブリュワリー(サンミゲル ビール、SMB)普通株式約78億5,932万株(発行株式数の約51.2%)と洋酒製造子会社ヒネブラ サンミゲル(GSBI)の普通株式約2億1,97万株(同約78.3%)譲渡で充当する。すなわち、株式交換により、サンミゲルはPF株式44%を追加取得、PFはビール事業と洋酒事業を傘下に収めるというものである。

 このように従来からの食品にくわえ飲料事業を統合することになるPFは、定款の主たる事業目的に「アルコール飲料事業」を加え、社名を「サンミゲルフーズ&ビバレッジ」へと変更。今年1月18日に開催されたPFの特別株主総会において、上記のようなPFの授権資本増額、飲料事業統合、社名変更などが承認された。

 証券取引委員会(SEC)は今年3月23日、上記のPFの社名変更を先行承認した。この承認により、「サンミゲルフーズ&ビバレッジ」が発足、フィリピン証券取引所(PSE)でも4月5日に、「サンミゲルフーズ&ビバレッジ」への社名変更が発効となった。PSEでの取引コードも4月5日にそれまでの「PF」から「FB」へと変更された。ただし、この時点では、上記の授権資本増額や株式交換などは承認されておらず、社名変更が先行するかたちとなっていた。

 7月5日に「サンミゲルフーズ&ビバレッジ」は、SECから6月29日付けでの上記の授権資本増額や株式交換の承認通知を受領したと発表した。そして、授権資本増額や株式交換の発効日は、SECの承認日である6月29日にするとも発表した。すなわち、サンミゲルグループの食品と飲料事業の統合が遂に完成、総合飲食企業「サンミゲルフーズ&ビバレッジ」が正式発足したとも言えよう。

 これらの結果、「サンミゲルフーズ&ビバレッジ」の普通株式発行済み株式数はこれまでの約16億6,667万株から約59億0,922万株へと大幅増加、浮動株式比率は同14.6%から4.12%へと急低下した。このままでは、PSEの浮動株式比率最低基準不遵守となることもあって、遠からず、株式の一部売却などが行われる可能性がある(18年7月6日のフィリピン証券取引所回覧04645-2018号などより)。

 このような動きのなかで注目されるのは、SMBに約48.39%を出資しているキリン・ホールディングス(キリン)の動向である。4月11日時点の「サンミゲルフーズ&ビバレッジ」の発表によると、キリンはこれまで通り、SMB株式約48.39%をそのまま継続保有するとのことであった。

 

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