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【フィリピン経済ニュース】外食企業、第1四半期軒並み二桁減収に

2021年5月28日

フィリピン証券取引所(PSE)上場の外食企業や、マクドナルド フィリピン(未上場、親会社のアライアンス グローバル グループが上場)の2020年や2021年第1四半期の決算発表がほぼ出揃ってきた。これらの企業の収益動向は下表のとおりである(個別企業の動向は既にレポート済み)。なお、5月25日時点で、ジュースバーを展開するフルータス ホールディングス(証券コード:FRUIT)の第1四半期の決算発表は行われていない。

 

 

2020年は新型コロナ感染拡大やその対策としての地域隔離措置の下での一時休業、店内での飲食禁止措置(デリバリーやテイクアウトのみ)という業務制限などが響き、表2のように軒並み大幅減収赤字決算となった。

世界的なファーストフード・チェーンとなったジョリビー・フーズ(証券コード:JFC)のグループ全体の総売上高は27.8%減の1,760億ペソ、営業収入は27.9%減の1,295億ペソにとどまった。そして、帰属純損益は115億ペソの大幅赤字転落(前年は64億ペソの黒字)となった。ちなみに、第2四半期の期初段階で全店舗の50%が一時的休業を強いられるまでに至った。

2020年後半にかけては、地域隔離措置が徐々に緩和されことで業績が回復基調となった。しかし、2021年第1四半期は、新型コロナウイルス感染再拡大や変異種の出現、それらに伴うマニラ首都圏や近隣州などでの地域隔離措置再厳格化により、各社の業績は低調なものとなっている。各社ともに二桁減収を余儀なくされた。

最大手JFCの第1四半期のグループ全体の総売上高は前年同期比(以下同様)13.4%減の478億ペソ、営業収入は12.8%減の347億ペソにとどまった。新型コロナウイルス感染拡大に起因する消費者行動の変化に対応するビジネス構造への転換効果が顕在化し始めたことで、帰属純損益は1億5,300万ペソの黒字転換(前年同期は16億3,300万ペソの赤字)したが、利益額自体は非常に低水準。

マクドナルド フィリピンは16%減収、19%減益にとどまった。Max’sグループ(証券コード:MAX)は黒字転換したが営業外収入の寄与であり、営業収入は32%減少と不振であった。シェーキ―ズ ピザ アジア(証券コード:PIZZA)30%減収、75%減益と不振。テイクアウトやデリバリーは堅調であったようだが、店内飲食制限が響いている。

 

その他の記事

フィリピン統計庁(PSA)発表の2021年第1四半期(1月~3月)の実質(以下同様)国内総生産(GDP)成長率は前年同期比(以下同様)マイナス4.2%、5四半期連続のマイナスだった。

フィリピンを代表するコングロマリットとなったサンミゲル(証券コード:SMC)が、5月6日、2021年第1四半期(1月~3月)の決算速報を発表した。

フィリピン統計庁(PSA)は4月29日、2020年の国内地域別経済成長率(2018年=100)を発表した。2020年は、3月央から実施された新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミックによる地域封鎖・移動制限など様々な国内外の規制の影響を受けた。

日本政府観光局(JNTO)は4月21日、2021年3月の訪日外客数推計値を発表した。それによると、3月の訪日外客数は前年同月比93.6%減の1万2,300人にとどまった。

フィリピン証券取引委員会(SEC)は、4月20日、大手食品メーカーである「モンデ ニッシン」のIPO(新規公募)とフィリピン証券取引所(PSE)メインボードへの新規上場申請(申請日2021年3月4日)を承認した。

4月16日付けフィリピン政府通信社オンラインニュースによると、Dr. Zen Biotech社は、ブラカン州の州都マロロスに立地するファーストブラカン工業団地にコロナウイルス(Covid-19)ワクチンの生産施設を建設しつつある。

4月14日午前3時(日本時間、以下同様)に、カロリン諸島で熱帯低気圧が台風2号(国際名:スリゲ)へと変わった。この時点での、中心気圧は1,002ヘクトパスカル、中心付近の最大風速は18メートル/秒、1時間に10キロメートルの速さで北西に進んでいる。

ニッシンURCの業績が堅調に推移している。4月13日に発表されたURCの2020年アニュアルレポートによると、表1のように、ニッシンURCの2020年の売上高は前年比(以下同様)17%増の74億0,600万ペソ、EBITDA(税前・償却前・利払い前利益)は27%増の14億7,200万ペソ、純利益は25%増の8億9,300万ペソで二桁増収増益決算となった。

フィリピンの代表的株価指数であるフィリピン証券取引所指数(PSEi)の2021年3月末終値は6,443.09ポイントとなり、前月末と比べて5.18%低下した。年初3カ月間(第1四半期)では9.76%低下した。

フィリピンにおける新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の確認例は、4月3日、新たに1万2,576件増加、2日連続での1万件突破となった。これにより、3日現在の累計感染者数は78万4,043人に達した。

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