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東ソー、フィリピンの子会社マブハイビニール総売上高が30%増に

2018年4月19日

東ソーは、コア事業である「ビニル・イソシアネート・チェーン」事業強化の一環として、2015年に、フィリピンのソーダ製品の製造・販売会社であるマブハイ・ビニール・コーポレーション(MVC社、フィリピン証券取引所{PSE}上場)の株式を追加取得し、子会社化した。

 「ビニル・イソシアネート・チェーン」とは、塩の電気分解(苛性ソーダ・塩素)から塩化ビニルモノマーに至る「ビニル・チェーン」と、ポリウレタンの材料になる「イソシアネート」を一連の流れとした、製品・原料一貫体制となる事業フローである。

 東ソーのMVC社株式保有比率は2015年6月末時点では39.92%であったが、2015年9月に約3億1,778万株(48.05%相当)を約15億円相当で追加取得した。約3億1,778万株のうち、約2億3,457万株(35.47%相当)をBDOユニバンク(BDO)から、残りの約8,321万株(12.58%)は少数株主向け公開買い付け(TOB)によって取得した。1株当たり取得価格は1.70ペソであった。これらの売買は、2015年9月14日にフィリピン証券取引所(PSE)において、ブロックセールというかたちで行われた。この追加取得により、東ソーはMVC社保有比率を87.975%に高め子会社化したのである。

 その後MVC社は2015年9月24日に取締役会を開催、会長兼CEOであったエベリン・ヴィラヌエヴァ氏ら4名のBDO系の取締役辞任を承認した。そして、新会長兼CEOに東ソーの八村哲郎氏を選出した。MVC社が名実ともに東ソーの子会社となった。三菱商事もMVC社への出資を継続(2018年3月末で6%を保有)するとともに、原料の塩類を供給している。

 MVC社は1934年にマブハイラバー社として設立され、1960年に化学品、PVC製品事業開始を決定した。1965年から苛性ソーダ年産4千トンの生産能力で生産・販売を開始した。その後、フィ リピンにおける苛性ソーダの需要拡大に伴い生産増強を行っており、フィリピン唯一の電解メーカーとして、その地位をより確固たるものとしてきている。フィリピンで塩素を商業量生産している唯一の企業でもある。また、国内の次亜塩素酸ナトリウム需要量の50%以上を供給している。

 このMVC社の2017年アニュアルレポート(年次報告書、4月16日公表)によると、2017年(1月~12月)の総売上高は前年比29.5%増の21億7,326万ペソに達した。原料価格や輸入価格上昇などで製造コストも34%増加したが、粗利益は同17.7%増の5億6,993万ペソ、営業利益は同2.3%増の1億4,893万ペソとなった。税金負担増で帰属純利益は同0.9%減の1億2,677万ペソにとどまったが、堅調な決算であったといえる。ちなみに、2016年は49%増益と非常に好調であった(18年4月16日公表のマブハイ・ビニール・コーポレーション2017年年次報告書などより)。

 

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