純売上高は38%増の21.6億ペソ:PSE上場企業
東ソーは、コア事業である「ビニル・イソシアネート・チェーン」事業強化の一環として、2015年に、フィリピンのソーダ製品の製造・販売会社であるマブハイ・ビニール・コーポレーション(MVC社、フィリピン証券取引所{PSE}上場)の株式を追加取得し、子会社化した。2018年9月末時点での東ソーのMVC社株式保有比率は87.975%。三菱商事もMVC社への出資を継続(2018年9月末で6%を保有)するとともに、原料の塩類を供給している。
なお、「ビニル・イソシアネート・チェーン」とは、塩の電気分解(苛性ソーダ・塩素)から塩化ビニルモノマーに至る「ビニル・チェーン」と、ポリウレタンの材料になる「イソシアネート」を一連の流れとした、製品・原料一貫体制となる事業フローである。
MVC社は1934年にマブハイラバー社として設立され、1960年に化学品、PVC製品事業開始を決定した。1965年から苛性ソーダ年産4千トンの生産能力で生産・販売を開始した。その後、フィリピンにおける苛性ソーダの需要拡大に伴い生産増強を行っており、フィリピン唯一の電解メーカーとして、その地位をより確固たるものとしてきている。フィリピンで塩素を商業量生産している唯一の企業でもある。また、国内の次亜塩素酸ナトリウム需要量の50%以上を供給している。
このMVC社の2018年9月(1月~9月)事業報告書によると、今上半期の純売上高は前年同期比(以下同様)38%増の21億6,126万ペソに達した。苛性ソーダの需要拡大や値上げなどが奏功したようだ。
原料価格や輸入価格上昇などで製造コストも21%増加したが、粗利益は90%増の7億4,003万ペソへと大幅増加した。販売費や輸送費が小幅増にとどまったこともあって、純営業利益は4.3倍の4億1,414万ペソ、帰属純利益も3.5倍の3億0,224万ペソへと急増した。