1945年創業の上質なフィリピンのクラフトショップ。バロン・タガログ、刺繍入りショール、民族アクセサリー、貝細工などを取り扱う。
IMAGE from Tesoro's Philippine Handicrafts
1945年、マニラ解放の直後に弁護士のNestorとSalud Tesoro夫妻によって創業されたTesoro’sは、元々Escoltaにあった「Sally’s Gift Shop」から始まった。当初は、高品質な帽子やバッグを販売していたが、やがて本格的なローカルクラフトを扱うようになり、「The Home of Quality Philippine Handicrafts(上質なフィリピン工芸品の館)」として知られる店へと発展を遂げた。

Plaza San Luis / IMAGE from Tesoro's Philippine Handicrafts
創業当初から、Tesoro夫妻は高品質な製品と個別対応の接客を信条としていた。この理念は長女のAlice Tesoro‑Guerrero氏に受け継がれ、現在では、最年少の娘でCEOを務めるMa. Isabel “Beng” Tesoro氏のもと、バロン・タガログや伝統織物といった職人技の継承と現代的な革新を両立させている。デジタルプラットフォームの活用にも力を入れ、特に若い世代や海外の顧客層へのアプローチを強化している。現在のTesoro’sでは、仕立ての良いバロン・タガログ、刺繍入りショール、民族アクセサリー、貝細工、ホームデコールなど、厳選されたフィリピン製品を取り揃えている。


IMAGE from Tesoro's Philippine Handicrafts
店舗は、Plaza San Luisのサン・アグスティン教会前とサンチャゴ要塞の2カ所にあり、イントラムロス観光の記念やお土産を探す旅行者や地元客にとっての定番スポットとなっている。
Plaza San Luisの店内に足を踏み入れると、そこにはまるで城壁都市の中にある自宅のような温もりある空間が広がっている。柔らかな照明、スペイン植民地時代を思わせる家具や調度品、そして彩り豊かなフィリピンの工芸品が配され、コーヒーや軽食を楽しみながらゆったりと過ごせる親密な空間が演出されている。随所に小さなダイニングスペースや、丁寧にキュレーションされた衣類やアクセサリーのディスプレイがあり、ブティックのような趣も添えている。
アドビの壁や古材に囲まれたこの空間は、店内の隅々までフィリピンのクラフトマンシップへの敬意が込められている。バロン・タガログや手織りの布、巧緻な工芸品が棚に並び、カフェスペースと販売エリアが自然につながることで、静けさと活気が共存する心地よい場となっている。
一方、サンチャゴ要塞店は、フィリピンの手仕事と伝統文化を祝う明るく楽しい空間として設計されている。歴史ある石造りの要塞の中にあり、素朴な魅力とフィリピンらしい装飾が融合する。木製アーチ天井には青と金の「パロル(星形ランタン)」が飾られ、貝殻ランタンや手仕事の品々が壁を彩る。竹やラタンといった天然素材と照明の使い方によって、懐かしさと温もりのある空間が広がる。

Fort Santiago Branch / IMAGE from Tesoro's Philippine Handicrafts
Tesoro’sは長年にわたり、フィリピン各地の伝統織物職人や刺繍職人、木工職人などと密に連携してきた。店内には、額装されたバロン・タガログのデザイン、手縫いのテーブルランナー、繊細なジュエリーボックスなどが並び、素材と技術の美を余すところなく伝えている。



IMAGES from Tesoro's Philippine Handicrafts




























