JETROフィリピンは12日、フィリピン証券取引委員会(SEC)による上場企業の少数株主による株主提案権(株主が株主総会の議案を提案する権利)の行使要件緩和を規定する通達「Memorandum Circular No.14」についての情報を発表しました。
上場企業の少数株主権を強化、株主提案権の行使要件を緩和
フィリピン証券取引委員会(SEC)は4月28日、コーポレートガバナンス強化と少数株主権保護を規定する2019年2月成立の改正会社法第179条に基づき、上場企業の少数株主による株主提案権(株主が株主総会の議案を提案する権利)の行使要件緩和を規定する通達「Memorandum Circular No.14」を出した。
SECの同通達は、単独または共同で、上場企業の5%以上の持ち株比率を保有する少数株主による株主提案権の行使を認め、これを認めない違反者は改正会社法第158条に基づき、5,000ペソ~200万ペソ(約1万500円~420万円、1ペソ=約2.1円)の罰金や、会社設立証明書の失効または一時停止といった罰則を科すと規定した。
SECのエミリオ・アキノ委員長は同通達により、フィリピンのビジネス環境と世界的競争力の向上につながると説明した(国営通信4月29日)。
SECは2019年12月、企業に対してコーポレートガバナンスの強化を求める通達を出した(2020年1月10日記事参照 )。2020年2月には、上場企業の資産売却の規制を強化する通達案を発表するなど、フィリピンではコーポレートガバナンス強化と少数株主権保護の動きが続く。日系企業も円滑なビジネス活動に当たって、これまで以上にこれらに留意する必要性がある。
(坂田和仁)
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