JETROフィリピンは7日、フィリピンでのワクチン接種対象についての情報を発表しました。
ワクチン接種対象を6月7日から拡大、合法な在留資格持つ外国人も対象
フィリピン政府の新型コロナウイルス対策の国家タスクフォース(NTF)は6月2日、同月7日からワクチン優先接種グループA4(経済活動で現場で従事する者、注)へのワクチン投与を開始すると発表した(政府通信社6月2日付)。6月以降、製薬会社からフィリピンへのワクチン供給が増加するのを見込んでの措置。
優先接種グループA4には、具体的に以下の者が含まれる。
- 民間企業の労働者で、(在宅勤務ではなく)事業所に出勤して業務を行う者。
- 地方自治体や国営企業を含む政府機関の職員。
- インフォーマルセクターの労働者あるいは個人事業主、かつ(在宅勤務ではなく)住居の外での労働提供を求められる者、あるいは生計を営む場所で労働提供を行う者。
優先接種グループA4へのワクチン投与の重点地域として、マニラ首都圏、ブラカン州、パンパンガ州、カビテ州、ラグナ州、バタンガス州、リサール州、セブ都市圏、ダバオ都市圏を指定して投与する。これらの地域は、人口密度が高く、あるいは経済活動が活発なため、政府は労働者の感染リスクが高いと分析している。
政府はワクチン接種計画で「合法な在留資格を持つ外国人」もワクチン接種の対象と発表した。接種希望者は窓口となる地方自治体での登録が必要だ。なお、6月4日時点で接種可能なワクチンは、シノバック(中国)、アストラゼネカ(英国)、ファイザー(米国)、スプートニクV(ロシア)の4種類。接種を受ける者は、どのワクチンを接種するかは選択できない(政府通信社5月27日付)。
(注)フィリピン政府はワクチン接種計画の実施に当たり、優先的にワクチン投与を行う対象をグルーピングし、接種対象を徐々に拡大していく政策を取っている。優先接種グループA1は医療関係者、A2は高齢者、A3は併存疾患を有する者で、番号が小さいほど優先順位は高い。
(吉田暁彦)