2022年5月のフィリピン正副大統領選に向けて、主な顔ぶれが出揃いました!フィリピンに駐在している方々や日系企業の皆さんも、どのような影響が出るか今から気になりますよね。フィリピン大統領選挙について、現在の情報をまとめました!
2022年フィリピン大統領選挙について
フィリピンでは2022年5月9日に大統領選挙と副大統領選挙が行われ、それぞれ直接選挙で選ばれます。憲法では大統領の再選が禁じられている(1期6年限り)ため、現職のドゥテルテ大統領の後継者が誰になるのかに関心が高まっています。ドゥテルテ氏は来年の国政選挙で、上院議員選に立候補。正副大統領とあわせて、同時に上院議員は12人選出されます。
フィリピンでは投票が一度しか行われないため、2位以下の候補者の総得票数との差がどんなに小さい場合でも、集計終了時に最も得票数の多い候補者が大統領になります。
今回は、大統領選に立候補した主な候補者をご紹介します!
Panfilo “Ping” Lacson(パンフィロ・ラクソン)
上院議員であり元PNP長官であるラクソンは、大統領選への出馬を正式に表明した最初の候補者です。利益誘導(ポークバレル)を一度も行わなかった人物とされており、一国家予算の「番人」としての評価も一部では得ています。
Bong Go(ボンゴ)
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2019年から上院議員を務めるボンゴは今回の正副大統領選で、締め切り直前にPDP-Labanの副大統領選ではなく、ドゥテルテ氏が掲げる汚職撲滅を目指すための政党「PDDS」から大統領候補として立候補しました。
彼は2016年〜2018年までは、大統領特別補佐官および大統領管理スタッフの責任者を歴任。 また、ドゥテルテ大統領がダバオ市の市長だった1998年には、ドゥテルテ個人の特別補佐官を務めた経歴を持ちます。
Emmanuel “Manny” Pacquiao(マニー・パッキャオ)
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ボクシング界で多くの功績を残したマニー・パッキャオは、不正や汚職を犯した政府関係者を投獄することを掲げており、ドゥテルテ大統領と中国との親密な関係を批判しています。
下院議員を2期務め、現在は上院議員を務めています。幼い頃は金銭的に苦労したことも多かったため、2016年に上院議員に初当選して以降は、恵まれない人々を助ける活動に注力しています。
Franciso “Isko” Moreno Domagoso(イスコ・モレノ)
スラム街出身で人気俳優を経た経歴をもつ、マニラ市長です。
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1998年にマニラ市の議員に立候補し、後に議員になりました。その後、2007年から2016年まで3期にわたってマニラの副市長を務め、2019年には元大統領で当時市長だった元エストラーダ大統領を破って当選しました。
ドゥテルテ政権の麻薬取り締まりを「超法規的」と指摘し、本格調査に乗り出す方針を公言しています。
Ferdinand “Bongbong” Marcos Jr.(フェルディナンド・マルコス・ジュニア)
フェルディナンド・マルコスの一人息子であるマルコス・ジュニア(通称ボンボン・マルコス)氏は、父の「黄金時代」を継承するとともに、国の立ち直りを支援すると公言しています。
1991年にハワイでの5年間の亡命生活からフィリピンに戻って以来、マルコス家は独裁政権や汚職のイメージを再構築しようとしてきました。
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マルコス元大統領は1986年にEDSA革命によって退陣するまでの20年あまり、フィリピンに独裁政権を築きました。イメルダ夫人の贅沢な生活ぶりも、日本では知られていますよね。
2016年、ボンボン・マルコスは副大統領選でレニ・ロブレドに敗れています。
マルコス氏に関しては、立候補資格に関する問題も浮上しています。現在は立候補資格がないとする人権活動家らの申し立てについて、フィリピン選挙管理委員会がマルコス氏の反論書提出期限を延長しています。
Leonor “Leni” Robredo(レニー・ロブレド)
副大統領を務めており、現政権を最も声高に批判している一人です。
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元人権派弁護士の彼女はドゥテルテの麻薬戦争キャンペーンを「無意味」と批判しています。また、恵まれない人々をサポートしたり、LGBTコミュニティの権利を擁護したりと、人道的な活動やプロジェクトにも注力しています。