2025年10月15日、フィリピンを代表する国際イノベーションカンファレンス「IGNITE」が今年も開催され、テクノロジー、ビジネス、投資の分野で活躍するトップランナーたちが一堂に会しました。
フェアモント・マカティで開催された「IGNITE 2025」は、「Gateway ASEAN: Expanding Markets, Empowering Growth(市場の拡大、成長の推進)」をテーマに掲げ、多様なアイデアと出会い、活発なネットワーキングや国際的な協力が生まれる場となり、フィリピンがASEANスタートアップエコシステムの架け橋として重要な役割を担うことを印象づけるイベントとなりました。
カンファレンスは、アジアのイノベーションを牽引するリーダーたちによるスピーチで幕を開けました。登壇したのは、JETROマニラ事務所の中村和生所長、情報通信技術省(DICT)産業開発局上級局長のJhino Illano氏、そして科学技術省(DOST)産業エネルギー新興技術研究開発評議会(PCIEERD)技術移転部長のRussel Pili氏です。3名はいずれも、ASEANのデジタル成長に向けた共通のビジョンを語り、カンファレンスの幕開けにふさわしいメッセージを届けました。

イベント中は、基調講演、パネルディスカッション、ブレイクアウトセッションなどが行われ、地域内の新たなトレンドやビジネスチャンスについて議論が交わされました。「AIがもたらすリーダーシップの変革」「ASEANにおけるAIトレンド」「ASEAN Summit PH 2025の展望」など、スタートアップや企業が国境を越えて成長を目指すうえで役立つ実践的な知見やヒントが数多く紹介されました。
中でも注目を集めたのが、JETROが主催する「Co-Innovation Pitch Session」です。日本企業のEnebloomと、フィリピンのスタートアップBetter-ed、Klimatech、Hotelblock.ai、Alertoが登壇し、国境を越えた協業がいかに革新的なソリューションや新たな市場機会を生み出すかを示しました。日本とフィリピンの協力関係がもたらす可能性を強く感じさせるセッションとなりました。

また、「Startup World Cup Philippines Regional Final」も大きな盛り上がりを見せました。優勝したのは、Edge Tutor International Pte. Ltd.。彼らは2026年にシリコンバレーで開催される世界大会への出場権を獲得しました。

準優勝はXeleqt Technology Innovations Inc.、第3位はAviltaが獲得し、審査員たちを魅了する堂々としたプレゼンテーションを披露しました。これにより、フィリピンのスタートアップシーンにおける高い実力と多様な才能が改めて感じられました。

会場ではセッション以外にも、業界ごとの最先端技術やソリューションを展示するブースエリアが設けられ、来場者は最新の製品やアイデアを間近で体験することができました。
カンファレンスの締めくくりには、招待制のネットワーキングディナーが開催され、ここでの会話が新たなパートナーシップへと発展する場面も見られました。
2017年にTechShakeと電通によって立ち上げられたIGNITEは、当初の参加者500名規模から、今ではフィリピンを代表するイノベーションカンファレンスへと成長しました。日本、韓国、台湾、そしてASEAN各国から参加者を集める国際的なイベントとして定着しています。今年の「IGNITE 2025」には、1,000名を超える参加者が集まり、70以上のコミュニティパートナーおよびメディアパートナーによる支援を受けました。その中には、When in Manila、Fintech News PH、BusinessWorld、Philippine Primerといったメディアも含まれています。

「IGNITE 2025」では、最新技術や人材の紹介を通じて、多くの出会いと新しいアイデアが生まれました。ASEANのスタートアップシーンがこれからどんな展開を見せるのか、さらなる発展を期待させる内容となりました。
画像出典:IGNITE PH




























