フィリピンには、ナショナル・アーティストと言う称号があります。フィリピン芸術界で際立った貢献をした芸術家に、国から送られる最高の栄誉とされています。
1972年に始まったこの制度には、音楽、ダンス、舞台、ヴィジュアルアート、文学、映画、放送、建築/建築装飾部門と、様々な芸術カテゴリーがあります。
この称号が与えられた者は、以下の名誉と特権が与えられます。
社会的地位、及びナショナル・アーティストとしての称号を大統領から宣言される
ナショナル・アーティストの記章・表彰
賞金、年金、医療、入院手当、生命保険保障、Libingan ng mgaBayaniと呼ばれる、英雄たちの墓場での国葬および埋葬、国の式典、及び文化イベントなど名誉ある席への招待
現在、ナショナル・アーティストとして認められているのは66人。 ヴィジュアルアート、文学、音楽の分野で、多くの人が認められています。
今回は、フィリピンではよく知られているナショナル・アーティストを紹介します。
(写真)レアンドロ・V・ロクシン (建築 1990) 画像出典:arkitektura.ph
フィリピンの真の建築とは、「東洋と西洋文化、2つの流れを汲んだ物。深みがあり、新しい調和を生み出す。」と語ったロクシン氏。フィリピン文化センター総合施設で見るすべての建築は、ロクシン氏のデザインです。
下記、彼が手掛けた建築物です。
フィリピン文化センター、フォーク・アート・シアター、フィリピン・インターナショナル・コンベンション・センター、フィルサイト(Philcite:Philippine Center for International Trade and Exhibitions/貿易に関するセンター)、ザ・ウエスティン・ホテル(現 ソフィテル フィリピン プラザ)
(写真)リノ・ブロッカ (映画 1997) 画像出典:NCCA
カタリーノ “リノ”オーティス・ブロッカは、偉大なフィリピン人映画監督として知られています。
彼はすべての映画で「表現の自由」を取り入れ、社会運動精神を表現しました。
彼の代表作は MaynilasamgaKuko ng Liwanag(1975)(マニラ・光る爪)をはじめ、
TinimbangKaNgunitKulang(1974)、Insiang(1976)(カンヌで初めて上映されたフィリピン映画)などがあります。
(写真)カルロス・ボトング・フランシスコ (ヴィジュアルアート 1973) 画像出典:alchetron.com
芸術の町、リサール州、アンゴノ出身のカルロス・ボトング・フランシス氏。
彼は、単独でフィリピンの歴史の一部を壁画にし、モダンアートの新境地を開拓しました。
彼の作品を見てみたい人は、マニラ市役所へ。身近なところに彼の作品はあります。
(写真)レヴィ・セレリオ (文学、音楽 1997) 画像出典:Rappler
レヴィ・セレリオは、多作な作詞、作曲家で、いとも簡単にフィリピンの地方言語の伝統曲をタガログ語に訳したり、替え歌が出来ることで知られています。
例えば、“O Maliwanag Na Buwan” (イロコ), “Akoay May Singsing” (パンパンガ), “Alibangbang” (ビサヤ)など、1枚の葉で音楽を奏でることができる唯一の人としてギネスブックにも載り、彼の名声を不朽のもとしました。
(写真)レノア・オロサ・ゴキンコ (ダンス 1976) 画像出典:NCCA via flickr
レノア・オロサ・ゴキンコは、ダンスの第一人者、フィリピン舞台ダンスの母、フィリピン舞台芸術批評家の部長として、多くの人に知られています。
50年の経歴の中で、素晴らしい振り付けを生み出しました。 中でも特に、“Filipinescas: Philippine Life, Legend, and Love,”と言う舞台を成功させ、民族舞踊を大きく発展させました。
ウィフレド・マ・ゲレロ (舞台 1997) 画像出典:NCCA via flickr
ウィフレド・マ・ゲレロは、教師であり舞台芸術家。
35年の指導歴の中で、フィリピンの優秀な俳優ら(ジョイ・ヴィラタ、ジョーニー・ガンボア)も指導してきました。彼はまたUP Mobile Theaterの創設者、芸術監督でもあり、劇場キャンパスの概念を導きました。(劇場を学生、観客のいる地方へ移動させました)
(写真)F・シオニル・ホセ (文学 2001) 画像出典:fsioniljose.com
数少ない、生存している国民芸術家の一人。
彼のもっとも有名な作品Rosales sagaは、5つのシリーズ小説から成っています。(Poon; Tree; My Brother, My Executioner; The Pretenders; Mass)
舞台は、パンガシナン、ロサレス。スペイン、アメリカの植民地時代の、5代続く2つの家族(サムソン家、アスペリ家)を描いています。
(写真)ルクレシア・R・カシラグ (音楽 1989) 画像出典:NCCA
フィリピン音楽と西洋音楽をコラボしたフィリピンミュージシャンが好きですか?
それならば、ルクレシア・R・カシラグがオススメえす。
講師、作曲家、芸能人、運営管理者、文化起業家であり、フィリピンの民族音楽と西洋音楽を融合した先駆者として知られています。
フィリピン人の音楽に対する関心を高めました。
彼女の一番の功績は、賞を獲得した曲、Toccata for Percussions and Winds, Divertissement and Concertante。フィリピンの民族楽器を取り入れています。
参考サイト: National Commission for Culture and the Arts, Official Gazette
- 「ニックネーム」 Ami
- 「自己紹介」 ファッション、洋楽ロック、
- 洋画が大好きです!
- 初めてマニラに上陸しました。