フィリピンでは、1年に1回、大統領は国の現況(政治、経済、社会的情勢)を報告する義務があります。これを施政方針演説、SONA(State of the Nation Address)と呼びます。
Part1に続き、今回はドゥテルテ大統領2度目となった、施政方針演説の要点10項目をご紹介します。
(写真)2017施政方針演説を行うドゥテルテ大統領 出典: GMANews
演説は、フィリピンの主要なテレビ網で放送され、現政権の業績と今後の計画について語られました。
今回の施政方針演説、要点10項目は以下の通りです。
1.土地利用法
演説の中で大統領がまず最初に言及したのは、土地利用法。土地利用を審査、計画し、継続的な土地活用を確実にするためです。これによって、継続的な開発の原則に沿った、天然資源の有効な分配が可能となるでしょう。
2.21世紀の環境に対応する災害対策に新しい省を
災害対策について大統領は、両院に対し新たに省を作り法律を作るよう呼びかけました。この省は、防災力をより高め、迅速な災害対応を提供するための権限を持ちます。
3.市民のための苦情ダイヤル8888について
苦情ダイヤルが設置されたのは2016年。国民は、政府に対する不満を伝える手段を得ました。政府の遅い対応、職員の態度など寄せられる意見は様々との事。
4.教育制度K-12制の実施
2016年、フィリピンは、K-12制と言う教育制度を採用しました。
K-12とは、幼稚園(K=Kindergarten)、小学校6年間、中学校4年間、高校2年間、合計12年。
さらに大統領は、技術トレーニングや、学校に通えない子供たちの利用する代替学習システムの拡大についても言及しました。
5.医療費 “差額請求なし”政策
医療に関してドゥテルテ大統領は、フィリピン人は良質で安価な公共の医療サービスを公平に利用できることを保証しました。この政策は、「入院中は、セット料金以上の医療費を貧しい患者に請求してはいけない。」としています。大統領はまた、国民健康保険や医療補助拡大を現政権が行うことを言及しました。
6.大統領令No.26 フィリピン全土禁煙
つい最近、大統領がサインした大統領令、フィリピン全土禁煙。喫煙者が喫煙できる公共の場を制限しました。大統領は、「我々は、タバコ商品へのアクセスを最小限にしたい。禁煙を試みる人たちに、支援的な環境を提供したい。」と述べました。
7.ブロードバンド整備計画 2017
フィリピンのインターネット接続環境改善のためにドゥテルテ政権は、ブロードバンド整備計画2017を承認しました。安価なインターネットアクセスをすべての地域にもたらす計画で、またブロードバンド接続速度を改善するものです。さらに最近、情報通信技術局がエドサ通りにて公衆無料Wifi サービスも開始しました。
8.海運、陸運の改善
海路については、15の新しいRo-Ro(Roll-on Roll-off )船が運航を開始しました。フィリピンの主な海路を行き交います。また、アセアンRo-Ro船の運航もスタート。ダバオ、ジェネラル・サントス港に立ち寄り、インドネシアとフィリピンを結びます。大統領はまた、港の近代化(ジネラル・サントス、カガヤン・デ・オロ、サンボアンガ)についても言及しました。
大統領は、メトロマニラ開発局及びセブ自治体に対し、交通の流れを確保するようにと述べ、違法駐車など通行を妨げるものの排除を指示しました。「違反するものは、地位に関わらず、罰せられます。」と述べました。
9.環境の維持を優先
演説の中でドゥテルテ大統領は、採掘業者に対し無責任に天然資源の破壊を行うことを控えるようにと警告しました。彼は、環境を守ることが優先され、交渉は不可能であることを強調。採掘業者に対して、破壊された場所を元に戻す責任がある、と述べました。
10.2017年税制改革プログラム
ドゥテルテ大統領が、優先的に改革したいことの一つ、税制改革Tax Reformfor Acceleration and Inclusion (TRAIN)が実施されました。これは、以前の税制問題に対処するもので、個人所得税の減税、固定資産および贈与税の簡素化、付加価値税の拡大、ガソリン、自動車物品税を増税する改革です。
その他にも大統領は、南部ミンダナオ島に発令した戒厳令の正当性を改めて強調。また、引き続き違法薬物、犯罪、汚職の撲滅を行っていくことも約束しました。
- 「ニックネーム」 Ami
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- 初めてマニラに上陸しました。