外科医療、特に脊椎脳外科において目覚しい発展を遂げる低侵襲治療。医学団体はその技術と学術に焦点を当てはじめています。
さて第5回となるASEAN低侵襲脊椎外科技術研究会2019(ASEAN Minimally Invasive Spine Surgical Techniques Congress 2019)が2019年6月26日から4日間、フィリピン大学マニラ校のCalderon Hallにて行われました。脳外科医から整形外科医まで、ASEAN各国の脊椎の専門家たちが、患者へ最良な脊椎外科医療を提供するための知識を求めて集まりました。
(画像)第5回研究会の議長、Rafael Bundoc医学博士が参加医師たちにワークショップを行う
タイのMISSとRajavithi病院が主催し、フィリピン総合病院(Philippine General Hospital)の整形外科脊椎部門の低侵襲脊椎外科研究グループの協力を得て、今年の研究会は初めてフィリピンで開催されました。研究会は2015年にタイで設立されたものです。
(画像)ASEAN各国から集まった90人の専門医
今回のテーマは「低侵襲脊椎外科療法へのパラダイムシフト―進化を遂げる先進的応用への基本コンセプト」。学会の前半には、90人の脊椎専門医や外科医が集まり、2日間の講義と、献体を使った内視鏡技術に関するワークショップに参加しました。
■献体を用いたワークショップ
各国を代表して集まった医師たちは、いくつかのグループに分かれて、個別の医療用ユニフォームと針とを渡され、献体実技に臨みました。
(画像)6体の献体を使って各グループごとに実技を行う
実技の内容に即した講義も行われました。インドのマハーラーシュトラ州にあるSushruta整形災害外科病院の脊椎内視鏡手術センターからはGirish Datar医学博士が、特に放射線解剖学と内視鏡解剖学について講義を行いました。
(画像)インドのGirish Datar医学博士
ドイツのフランクフルトにある赤十字病院の脊柱靱帯センターの主任専門医であり脊椎外科専門医のRalf Jurgen Wagner医学博士は、針の刺入目標の設定について講義しました。
(画像)ドイツのRalf Jurgen Wagner医学博士
一方、イランのマシュハド医科大学の脳神経外科専門医のMehdi Abili博士は、腰椎椎体間固定術の指標と結果について解説しました。
(画像)イランから出席したMehdi Abili博士
研究会の中では研究展示とブースも設けられ、様々な医療企業が低侵襲外科治療に関する自社の医療設備や機器、ツールを展示しました。
(画像)研究会のゴールド・プラチナスポンサーの展示
■全体カンファレンス
本研究会の後半は、マニラホテルでの6月28日から2日間にわたる学術プログラムです。
(画像)全体カンファレンスの会場、Rigodon Hall入口
脳外科や脊椎整形外科の分野から、国内外300人の参加者が出席。カンファレンスの最重要プログラムは、様々な国内外の専門家による種々の講義でした。
(画像)国内外から300人が参加
冒頭では第5回ASEAN低侵襲脊椎外科技術研究会2019の実行委員会委員長であるRafael Bundoc博士が開会の挨拶を述べました。
(画像)フィリピンで学ぶことのおもしろさを説くBundoc博士
講演者の韓国カトリック大学のJin Sung Kim教授は「低侵襲脊椎外科治療は脊椎外科治療の未来か」をテーマに基調講演を行いました。Kim教授は講演の中で、低侵襲脊椎外科治療の未来を決定するファクターはすなわち3Dインプラントプリント、人工知能、精密医療、ロボットナビゲーションと外来ケアであると強調しました。
その後、内視鏡脊椎外科についての特別講義が最終日まで続きました。
(画像)低侵襲脊椎外科治療の近年の発展について話すKim教授
様々な製薬・インプラント企業が、研究会のスポンサーと同じように自社の製品を展示しました。
(画像)カンファレンス会場の外で、脊椎外科治療に関するツールや設備を展示
最終日には研究会マークが次回ホスト国のインドネシア代表へ引き継がれました。
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