ここ南国フィリピンで、子どもから大人にまで人気の「ビアンカズ・アイスキャンディー(Bianca’s Ice Candy)」。
そのおいしさと、ひとつ3ペソという手頃な価格から、フィリピンではとても有名なこのアイスキャンディーですが、そのはじまりはたったの“20ペソ”でした。
今回は、20ペソからはじまったフィリピン人夫妻のサクセスストーリーを紹介します。
(写真)ひとつ3ペソ、24種類の味があるビアンカズ・アイスキャンディー
●控えめなはじまり
夫のロドルフォが高給の仕事を失い、どん底を経験したデ・レオン夫妻。
節約の日々を経てなんとかお金を貯めましたが、2人の娘を学校に行かせることはできず、ガスも使うことができないため料理の時には炭を使わなければならないなど厳しい生活を送っていました。
財布に“20ペソ”しかなくなったとき、妻のロシエルは、冷蔵庫を見てひらめきました。
ロシエルは20ペソを持って氷の入った袋を買いに行き、氷を1つ3ペソで売ってみました。
収入はなんと300ペソ。そのお金で、今度は材料を買ってきて、自宅の冷蔵庫でアイスキャンディーを作り、近所の人に1つ5ペソで売りました。
アイスキャンディーはとても好評だったため、今度は魚屋やサリサリストア(フィリピンのコンビニ的存在)、たばこ屋などでも販売してもらえるよう交渉。
1つ売れるごとに1ペソを手数料として支払う約束をしました。
(写真)ビアンカズ・アイスキャンディーを生み出したデ・レオン夫妻
●ビジネスの拡大
つつましく始まった夫妻のビジネス。現在のように大きくなれたのは、娘たちの力でした。
リサールの公立学校に通っていた娘は、学校でもアイスキャンディーを売ってほしいと夫妻に頼みました。学校には、彼女の好きなおやつがなかったからです。
そこで、夫妻は校長先生と話をし、初めての取引先ができました。
そこから徐々に学校との契約が広まり、2016年7月時点では136校にも及ぶ公立学校に提供しています。
公立学校には「トレーシステム」といい、それぞれのクラスでトレーにのったおやつが配られるシステムがあります。
公立学校出身だった夫妻は、その知識を利用してビジネスを展開することができたのです。
(写真)シンプルでかわいらしいデザイン
●ビジネスをさらに大きく
現在ではアンティポロに2つの工場を持ち、毎日6万個ものアイスキャンディーを生産しています。
はじめの頃は、夫ロドルフォ自身がトライシクルで配達していましたが、現在は3台の冷凍庫で運送しています。
この8月には、アンティポロにさらに工場を開き、生産数も一気に50万個まで伸ばす予定。
50人以上の従業員を雇うことができるため、地元の雇用拡大にも貢献しました。
夫妻は、通信最大手PLDTが取り組む、起業支援の大使も務めることになりました。
20ペソからはじまった、夫妻のサクセスストーリー。
知恵があれば生活できる、というフィリピンの人たちを象徴するようなお話ですね。
ビアンカズ・アイスキャンディーについてはこちらのFacebookより!
- 「ニックネーム」 Kosaki
- 「自己紹介」 バスケットボールが大好き!
- フィリピン人と本気で戦ってみたりします。