フィリピン外務省長官Teodoro L. Locsin, Jr.氏とフィリピン大使の羽田 浩二氏が11月7日に会談し、予てからODAの一環として検討されていたフィリピン空軍のヘリコプターの無償援助とマニラ・メトロレール・トランジット・システム3号線(MRT3)の改修費用の援助について合意し、交換公文の署名を行いました。
これまで日本政府が行った様々なフィリピンへの開発援助に加え、今回の支援は国家の防衛力とインフラのさらなる強化を目的として行われることとなります。
この会談でLocsin, Jr.氏は「自国はもちろんのこと周辺国が繁栄し安全であるためには、他国と深い友情をもって良い関係を築きあげることが一番の課題です。」と、フィリピン外務省公式サイトの言葉を引用して、これまでにどれだけ日本政府がODAを通してフィリピンへ支援を行ってきたかを述べました。
フィリピン空軍への支援は53億1千万円(約24億6千ペソ)で、UH-1Hヘリコプターの交換部品とメンテナンスに使用されるとのこと。フィリピンは、UH-1Hを人道支援・災害救援、輸送及び警戒監視のために使用しています。メンテナンスには機体、電気系統システム、コントロールシステム、ローターシステム、計器システム、油圧システムやその他の部品の修繕が含まれます。
また、今回の交換公文の一つMRT3の修繕に関しては、72台のライトレール車両の点検と修繕を含むMRT3の修復工事として380億円(約177億9千ペソ)が援助されます。プロジェクトは43か月の工期で早ければ26か月で完了する予定です。
修繕費には車両の電力供給システム、オーバーヘッドカテナリーシステム、パブリック・アドレスシステム、送電システム、線路、車両、倉庫機器、エレベーター、エスカレーター、駅構内の設備などが含まれます。
今年で日比友好62周年を迎え、日本はフィリピンのODAパートナーとしてなくてはならない存在になっています。現在進行中の日本が行っているODA支援としては、インフラ計画、安全保障、健康支援、貿易、観光、人材、農業、教育、人道支援、災害支援などがあります。