在フィリピン日本国大使館は11月15日、マニラ首都圏(近郊地域を含む)への渡航を予定、または滞在されている皆様へ注意喚起を発表しました。
●引き続き、マニラ首都圏や近郊地域において、日本人が拳銃強盗、ひったくり、スリ、置き引き、睡眠薬(昏睡)強盗などの被害に遭う事例が多数発生しております。
●最近の邦人の犯罪被害の傾向と注意点等を下記のとおりお知らせしますので、常に狙われているという危機意識を持ち、トラブルに巻き込まれないよう心がけながら安全対策を講じてください。
●クリスマスシーズンを迎えると、犯罪が増加する傾向があります。在留邦人の皆様や旅行者・出張者の皆様におかれては、次の注意喚起にご留意いただき、高い防犯意識を持つようお願いします。
1 拳銃強盗被害
(1)夜間、歩道を歩行中、突然犯人が近づいてきて、拳銃のようなものの銃口を被害者に向け、携行するショルダーバッグを奪われる被害が連続発生しています。
(2)被害者がバッグを奪われぬよう、バッグを押さえたり引っ張り返そうとしたところ、拳銃のグリップ部分で手を殴打された事例も見られます。
【注意1】夜間の徒歩での外出はなるべく控え、やむを得ず歩行する際は、次の注意喚起を参考に、細心の注意を払ってください。
https://www.ph.emb-japan.go.jp/itpr_ja/11_000001_01683.html
【注意2】強盗に遭遇した際は、身の安全を第一に考え、絶対に抵抗しないでください。
2 バイクによるひったくり被害
バイクに乗車した二人組が、後方から近づき、携行するハンドバッグや携帯電話などを奪取するといった被害が多発しています。
【注意1】歩行中には、後方から来るバイクに乗った二人組の接近に注意し、接近を察知したらバイクから届かない場所まで避難するなど防衛措置を講じてください。
【注意2】歩道を歩行する際は、車道から離れた場所を歩くとともに、セカンドバッグ等は体前方、車道の反対側に持つようにし、後方から把持されにくいようにして下さい。
3 スリ、置き引き被害
(1)気づいたらバッグを開けられ、旅券や財布等の貴重品を取られていた、といった報告が頻繁に寄せられています。被害場所も多岐にわたり、路上のみならずショッピングモール内、ジプニーの車内、空港や飛行機内等でも発生しています。
(2)歩行中、子供や浮浪者に取り囲まれ、小銭等をせがまれて困惑しているうちにバッグやポケットから財布や携帯電話(スマホ)を抜き取られる事案も発生しています。
(3)飲食店等におけるバッグの置き引き被害も引き続き多発しています。
【注意1】外出の際は必要最小限の現金等を持ち歩くようにする、貴重品はバッグなどにまとめて収納せず分散して身につけるなどの対策を講じてください。
【注意2】特に一人歩きが狙われる傾向があります。「歩きスマホ」をしない、見知らぬ人物から声をかけられても不用意に立ち止まらないといった行動を心がけ、また恐怖を感じた場合は近くにいる第三者に大声で助けを求めるようにしてください。
【注意3】バッグ類は、常に目に見える場所で確実に管理するよう心がけ、また席を外す際には必ず持ち歩くようにしてください。
【注意4】携帯電話(スマホ)の盗難被害報告も多く、「スマホがないため家族や関係者の連絡先がわからない。」、「データ化してあった書類が見られず困っている。」といった相談も増えています。特に旅行中の方は、連絡先や必要な書類をスマホで一括管理している方が少なくありません。スマホの紛失や盗難に遭った場合も想定し、必要なバックアップ対策を講じておくことが肝要です。
4 睡眠薬(昏睡)強盗被害
マニラ首都圏に滞在される方、特に若い旅行者からの被害報告があとを絶ちません。手口、被害例、注意点等を以下のとおりお伝えします。
(1)睡眠薬(昏睡)強盗とは
犯人(複数人のグループであることが多い)が狙いをつけたターゲットの旅行者(被害者)に言葉巧みに近づき、移動中、または移動先の飲食店等において、即効性のある睡眠薬(向精神薬)等を混入させた飲食物を勧め、被害者の意識を失わせて金品を強奪するもの、またその手口を言います。
(2)手口、被害例
ア 観光地(マニラ旧市街:イントラムロス)やマニラ市内のリサール公園付近を散策中、見知らぬ人物から、「道を教えて欲しい」、「日本人? 日本にいる親類のことで相談があるんだけど」、「私たちも旅行者なんだけど、一緒に○○に行かない?」、などと声をかけられます。
イ これに応ずると、徒歩、タクシー等で移動することになります。その後の動きは実に様々ですが、次のような例が挙げられます。
(ア)飲食店で提供された飲食物を口にして意識を失った。気がつくとホテルの自室で寝ており、ポケットの財布と携帯電話がなく、またクレジット・カードから数十万円が不正利用されていた。ホテルの場所は伝えてあったが、ホテルの従業員に聞いても、誰が送ってきたかはわからないと言われた。
(イ)タクシーに乗ったが、どこにいるかわからなくなり、また友達と称する女性が2人便乗してきて、自分を取り囲んだ。その車内で渡されたスナック(あるいは果物、ビール等)を口にしたあとの記憶がない。気づくと路上で寝ており、旅券や財布等が入ったバッグがなくなっていた。
【注意1】被害者の多くは、「相手が女性だった(あるいは家族のようだった)のでつい気を許した」、「とても人を騙すような人物には見えなかった」、「事例は承知していたが、まさか自分が巻き込まれているとは思わなかった」などと述べています。かなり巧みに被害者の心理を突いてくるものと考えられます。
【注意2】睡眠薬、精神安定剤等の向精神薬は、量や体調によっては身体に重大な影響を及ぼすおそれのある怖い物質です。見知らぬ人物から誘われても、簡単に同行したり提供を受けた飲み物、食べ物に口をつけたりしないよう、十分注意し、警戒してください。
5 その他、当館で認知した邦人被害事案
(1)空港乗り継ぎのため、ターミナル間の移動に流しのタクシーを利用したところ、数分の乗車にもかかわらず、降車時に12,000ペソと言われた。恐怖感もあり、やむなく支払った。
(2)歩行中、女性に声をかけられ、一緒に食事などして意気投合し、カラオケに行ったところ、カラオケ内で突然女性が暴力を振るわれたと騒ぎだし、同時に現れた男性から、治療費を払うよう恐喝された(美人局(つつもたせ)被害)。
【注意1】タクシーを利用する場合は、どんなに急いでいても、車番等は乗車前に必ず確認・記録するようにしてください。また単独でのタクシーや馬車の利用はできるだけ避けてください。(特に個人旅行者は流しのタクシーを利用せず、比較的安全とされる「Grab」タクシーの利用を検討ください)
【注意2】遵法意識を強く持ち、見知らぬ人物の誘いには軽々に乗らないよう注意してください。また、マッチング・アプリの利用にはリスクが伴います。十分留意してください。
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(問い合わせ窓口)
○在フィリピン日本国大使館
住所:2627 Roxas Boulevard, Pasay City,Metro Manila
電話:(市外局番02)8551-5710
(邦人援護ホットライン)(市外局番02)8551-5786
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