JETROフィリピンは18日、モバイル版の国民IDに関する情報を発表しました。
2022年初めにモバイル版の国民IDをリリース予定
フィリピン統計局(PSA)は10月14日、スマートフォンを活用したモバイル版の国民IDの開発に現在取り組んでおり、2022年初めのリリースを目標にしていると発表した。これにより、国民IDをより便利に使用することができる。国民IDを既に取得していれば、生成された12桁の番号をモバイル版国民IDにリンクすることで利用できる。
国民IDの取得には次の3つの手続きが必要となるが、PSAによると、現在のところ、4,320万人以上がステップ1を完了し、3,499万人以上がステップ2を完了、220万人以上がステップ3を完了し、既に国民IDカードを取得している。
- ステップ1:氏名、住所などの個人情報の登録
- ステップ2:指紋や眼球の虹彩スキャンなどの生体認証情報の登録と顔写真の撮影
- ステップ3、国民IDカードの発行
PSAのロザリンダ・バウティスタ次官は「2021年末までにステップ1で約7,000万人、ステップ2で約5,000万人、ステップ3で約1,500万人が完了することを目標としている」と述べた。
政府は2018年8月、国民ID発行を規定する身分証明制度法を施行し、2019年に試験運用を開始。ドゥテルテ大統領の任期である2022年までには、全ての国民とフィリピンに在留する全外国人のID登録を完了するとしている。IDには氏名、生年月日、性別、出生地、血液型、住所、結婚歴、携帯電話番号、メールアドレス、フィリピン人か外国人のいずれかといった情報が記載される。国民IDは、公的・私的取引、学校への入学、銀行口座の開設などを簡素化する手段となる有効な身分証明書となる。
また、PSAは2020年4月、国民IDを活用した政府による各種サービス、国民への支援を強化すると発表し、新型コロナウイルスの国内感染状況を踏まえ、断続的な救援物資の配送、金融支援、汚職削減、ビジネス環境の改善といった政策を実行する際に国民IDを活用することで、迅速なサービス提供が可能としている(2020年4月24日記事参照)。
(蛇見拓斗)