JETROフィリピンは7日、新型コロナウイルスに関連する経済動向の新しい情報を発表しました。4月のインフレ率に関してのニュースです。
4月のインフレ率は2.2%と減速も、食品や飲料のインフレ加速
フィリピン統計庁(PSA)は5月5日、4月の消費者物価指数(CPI)上昇率(インフレ率)が2.2%となり、3.0%を記録した前年同月や2.5%だった前月から減速したと発表した。
減速要因として、交通がマイナス6.1%となり、前年同月から9.9ポイントと大幅に低下したことが挙げられる。3月16日付でマニラ首都圏を含むルソン地方全体に外出禁止令や公共交通機関停止を含む広域隔離措置(ECQ)が発動され、多くの交通機関が停止したことに起因すると考えられる。そのほか、住宅・水道光熱費(0.3%、前年同月比2.9ポイント減)、余暇および文化(1.6%、1.5ポイント減)、レストランおよび雑品(2.4%、1.1ポイント減)、医療(2.8%、0.8ポイント減)といった品目も上昇率は鈍化した。
一方で、政府は3月17日付で医薬品や食品、農産品など生活必需品の不当な値上げを禁止する通達を発出し、生活必需品の国内外物流は止めないという方針を示したものの、食品・非アルコール飲料のインフレ率は3.4%と、前年同月の3.0%から0.4ポイント、前月の2.6%から0.8ポイントそれぞれ上昇した。そのほか、アルコール飲料およびたばこ製品(17.9%、前年同月比8.0ポイント増)、教育(4.7%、8.5ポイント増)、家具・家庭用品および家屋修繕(4.2%、1.0ポイント増)などが上昇した。
フィリピン開発予算調整委員会(DBCC)は2019年12月、2020年から2022年までの3年間のインフレ率の目標を2~4%に据え置くと発表している(2020年1月10日記事参照)。
(坂田和仁)