JETROフィリピンは25日、下院歳入委員会法案が提出した法案についての情報を発表しました。法案はGAFAなどを対象としたデジタル課税法案についてです。
GAFAなどを対象としたデジタル課税法案が提出
下院歳入委員会は5月19日、GAFAと呼ばれるグーグル、アップル、フェイスブック、アマゾンといったIT大手への国内でのデジタル事業収入に対する課税を可能とするために内国歳入法の一部を改正する法案「下院6765号法案」を同日付で提出したと発表した(5月19日付フィリピン国営通信ほか)。
法案は、デジタル事業収入に対して12%の付加価値税(VAT)を課すとし、法案が成立次第有効となると規定する。法案立案者であるジョーイ・サルセダ下院歳入委員長は、法案の成立によって、新たに年間291億ペソ(約611億円、1ペソ=約2.1円)の歳入増が見込めるとした。さらに、「フィリピン国内に拠点を持ち、ビデオや音楽のストリーミングサービスを提供する場合は課税されるのに対して、ネットフリックスやスポティファイといった企業は拠点がないことを理由に課税されておらず不公平だ」と説明した。
また、国内に拠点を持つ広告代理店が顧客から広告費用を受け取った場合に課税されるにもかかわらず、グーグルやフェイスブックといった企業は課税されていないとした。
法案成立によって発生する歳入は、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で低迷する国内経済の回復のための緊急対策事業の財源に充てられる。
フィリピン内国歳入庁(BIR)は昨年、電子商取引(EC)やデジタルサービスに適切に課税する方法を検討するための調査を実施すると発表していた(2019年10月18日記事参照)。
(坂田和仁)
(フィリピン)