1月12日の午後、ルソン地方バタンガス州のタール火山で噴煙があがりました。マニラ首都圏でも広範囲で火山灰が確認されています。火山灰から身を守るための対策をまとめました。
1.火山灰から身を守る
火山灰が人の目に入ったり、多量に吸い込んだりすると、健康被害につながるおそれがあります。呼吸器系への影響や目の症状、皮膚の炎症などが発生する可能性があります。
降灰がひどい場合は外出を控えましょう。コンタクトレンズの使用は極力控えることが重要です。火山灰は角がとがったガラスのような形をしています。コンタクトレンズに火山灰が付着すると、レンズを外す際に結膜炎になる恐れがあります。
防塵マスクを着用するなど、火山灰を吸い込まないようにしましょう。火山灰はとても小さいので、空気と一緒に肺の奥まで入っていきます。気管支炎の人は、発作のようなせきや、胸のしめつけ感で苦しくなることがありますので、注意しましょう。心臓に重い病気がある人も特に注意しましょう。
また火山灰が肌にふれると、皮膚が弱い場合は炎症をおこす可能性もあります。外出する際はタオルや長袖・長ズボン等を身に着けるようにしましょう。
首相官邸ページから引用
2.火山灰から家屋を守る
屋根に積もった火山灰を濡らし過ぎると、屋根に重さがかかり、家がつぶれる危険があります。火山灰の処理は、屋根に数センチ以上降り積もる前に行うことがポイントです。
また火山灰は重く、水に溶けないため、処理が非常に難しいと言われています。火山灰により排水管が詰まると下水処理施設を傷めるおそれがあるため、排水溝や下水、雨水管に流さないようにしましょう。
タール火山近くのタガイタイでは大量の火山灰が(GMA Newsから引用)
3.降灰に備える
降灰が強くなったら、パニックに陥らず、冷静に行動することが大事です。屋外にいる場合はマスクやハンカチ、衣服で鼻と口を覆い、避難施設(車や建物など)を探しましょう。 火山灰が降り止むまで屋内に留まることが大切です。
家にいる場合はドアや窓を閉め、 湿ったタオルをドアのすき間や通気口に置きましょう。すき間風が入る窓にはテープを張ると効果的です。 壊れやすい電化製品にカバーをして、周囲の火山灰が完全になくなるまでカバーをはずさないようにしましょう。
可能であれば、下水がつまらないように雨どいや配水管を排水溝からはずすことも重要です。
運転はなるべく控えましょう。火山灰が降ると見通しが悪くなって、横断歩道などの表示が見えにくくなります。道路に火山灰が積もると滑りやすくなって、自転車や自動車のブレーキがききにくくなり、事故などの原因になります。
ウェザーニュースより引用
4.火山灰の除去作業を安全に行うために
除去作業を行う際は、しっかりとした防塵マスクやゴーグル、メガネを着用しましょう。目への刺激を防ぐため、コンタクトレンズは使わないようにしましょう。
やむを得ず屋根の火山灰を除去するときには、人が乗っても大丈夫火どうか確かめてから始めましょう。はしごや屋根の上は表面が火山灰で滑りやすくなっています。はしごはしっかりと固定し、命綱やヘルメットを着用しましょう。作業は家族や近所にも声をかけ、2人以上で行いましょう。
火山灰は雨どいや下水に詰まりやすいので、流さないことが大切です。袋詰めなどにしておきましょう。
降灰後、数ヵ月間はフィルター類を頻繁に交換することをおすすめします。エアコンや暖房機器のフィルターには注意深く気を配りましょう。冷蔵庫の通気口や台所の換気扇なども清掃しましょう。
在フィリピン日本大使館は12日の夜、タール山の噴火警戒レベル引き上げに伴う注意喚起の情報を発信しています。万が一身の危険などを感じた場合は、邦人援護ホットライン(02)8551-5786までご連絡を!
今後も引き続き最新の情報を入手し、安全第一の行動を心がけましょう。
出典:独立行政法人 防災科学技術研究所・首相官邸ホームページ ・三井住友海上ホームページ
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