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【在フィリピン日本国大使館から安全対策情報】マニラ首都圏及び近郊地域における邦人犯罪被害の傾向(注意喚起)
2022年05月10日更新

在フィリピン日本国大使館は5月10日、マニラ首都圏及び近郊地域における邦人犯罪被害の傾向について注意喚起しました。

【ポイント】
●マニラ首都圏及び首都圏近郊地域における最近の邦人犯罪被害の傾向と注意すべき点等をお伝えします。
●フィリピンで発生する犯罪のほとんどはグループによるものとみられており、あらかじめターゲットを絞った上で犯行に及んでいることが多いと考えられます。常に狙われているおそれがあることをあらためて認識するとともに、トラブルに巻き込まれないよう、安全対策や遵法意識を見直してください。また、仮に何らかの事件に巻き込まれ、身の危険を感じた場合には、絶対に抵抗せず、常に生命と身体の安全を最優先してください。

1 集団スリ被害
(1)典型例のひとつとして、商店街の歩道や狭い路地等において、子供たちや浮浪者に取り囲まれ、小銭等をせがまれて困惑している隙に、バッグやウエストポーチの中から財布を抜き取られるという例が挙げられます。一人歩きはできるだけ避けるようにし、また外出の際には、必要最小限の現金のみを持ち歩くようにする(あるいは財布を二個用意し、ひとつはすぐに取り出せるように工夫する)、見知らぬ人物から声をかけられても不用意に立ち止まることなく、毅然とした態度を示し、恐怖を感じた場合は近くにいる第三者に大声で助けを求める等の行動を心がけるようにしてください。(なお、困っているところを助けに入ってくれた現地人と仲良くなり、その後、他の犯罪に巻き込まれる(シナリオの一部になっている)例
もありますので、簡単に気を許さないよう十分な注意を払ってください。)
(2)もうひとつは、ショッピング・モールのエレベーターやエスカレーター、あるいは列車やバスの車中など、混み合う状況において、小銭やバッグ等を落とし、拾い集める人物とこれを手伝う人物等に行く手を阻まれ、進むことも退くこともできず戸惑ううちに、バッグやポケットの中から財布などを抜き取られるという例が挙げられます。買い物中又は散策中も、前後左右の人の動きにできる限り注意を払い、混み合うエレベーターやエスカレーターなどにはできる限り乗らないようにするなどの心構えが肝要です。

2 ひったくり被害
 最近、バイクに乗った2人組によるひったくり被害が多発しています。繁華街や人通りの少ない通りなど場所は様々ですが、後ろからバイクで近づいて肩からかけているバッグを奪う手口です。比較的女性が狙われやすい犯罪ですが男性も被害に遭っています。外出時は、歩行中も周囲の状況に十分注意し、またバッグなどはできる限り身体の前に抱えて持つように心がけてください。なお、被害に遭った場合は、引きずられて大怪我をすることのないように、バッグをすぐに手から離すことも心がけておきましょう。

3 置き引き被害
 ファスト・フード店やショッピングモール等において、バッグ等の置き引き被害が相変わらず多発しています。
 「現地人に話しかけられたので、これに応じている間に・・・」という報告の多さも特徴のひとつです。バッグ類は、常に目に見える場所で確実に管理するよう心がけ、また席を外す際には必ず持ち歩くようにしてください。

4 睡眠薬強盗被害
 これまでも再三注意喚起を行ってきていますが、マニラ首都圏に滞在される方、特に短期渡航者からの被害報告があとを絶ちません。
 その手口、被害例、注意点等を以下のとおりお伝えします。睡眠薬、精神安定剤等の向精神薬は、量や体調よっては身体に重大な影響を及ぼす恐れがあることをあらためて認識し、見知らぬ人物から誘われても、同行したり、手渡された飲食物に口をつけたりしないよう、十分注意し、警戒してください。

(1)睡眠薬強盗とは
 昏睡強盗、とも呼ばれますが、犯人が狙いをつけたターゲット(被害者)に近づき、同行を促し、その移動中又は移動先の飲食店等において、即効性のある睡眠薬等を混入させた飲食物を勧め、被害者を眠らせて金品を強奪するもの、またその手口を言います。
 精神安定剤(向精神薬)の一種である「Ativan(アティバン:登録商標名)」を用いることが多い犯人らの手口から、フィリピンでは、警察をはじめ、一般的に「アティバン・ギャングによる被害」と称されます。

(2)手口、被害例
 ア ショッピング・モールや繁華街等の路上を散策中、見知らぬ人物から、「道を教えて欲しい」、「日本人? 日本にいる親類のことで相談があるんだけど」、「セブから旅行に来てるんだけど、あなたも旅行?」、などと声をかけられます。
 被害者の多くは、「話し上手で裕福そうな現地人風の年輩の女性だった。」、「年配の女性と若い女性2名だった。」、また一様に、「とても人を騙すような人物には見えなかった。」などと述べていますので、かなり巧みに被害者の心理を突いてくるものと考えられます。
 イ これに応ずると、「実はそこで友達が待っている。」などと言われ、徒歩、タクシー等で移動することになります。その後の被害例は実に様々ですが、次のような例が挙げられます。
 (ア)徒歩で飲食店に移動し、提供された飲食物を口にして意識を失った。気がつくとホテルの自室で寝ており、ポケットの財布と携帯電話がなくなっていた。ホテルの場所は伝えてあったが、ホテルの従業員に聞いても、誰が送ってきたかはわからないと言われた。
 (イ)タクシーに乗ったが、どこにいるかわからなくなり、また友達と称する女性が2人便乗してきて、自分を取り囲んだ。その車内で渡されたスナックとジュースを口にしたあとの意識がない。気づくと空港のロビーで寝ており、旅券や財布等が入ったバッグがなくなっていた。

(3)注意すべき点
 被害者の多くは、次のように述べています。前述の手口、被害例等を十分に踏まえ、見知らぬ人物の誘いには始めから乗らないよう注意することが肝要です。
 ア 事例は承知していたが、誘い込む手口やプロットがきわめて巧みで、まさか自分が巻き込まれているとは思わなかった。
 イ 一度行動を共にしてしまうと、どこにいるかもわからず、また雰囲気的にそこから抜けると言い出せなかった。
 ウ みんなで飲み、食べていたので、自分だけ食べない、飲まない、というわけにはいかなかった。

5 恐喝(いわゆる美人局)被害
 フィリピン、特にマニラ首都圏では、日本人を含む外国人男性を狙った買春絡みの恐喝、いわゆる美人局(つつもたせ)が多く発生しています。ショッピング・モールで若い女性に声をかけられ、同行した結果、金を出せと脅され、強く拒否したところ男性が現れて(あるいは同行した結果、レストランに誘われ、支払時にクレジット・カードの利用を促され、後日、そのカードの不正利用が発覚する)・・・といった例です。多くの場合、声をかけてくる若い女性について行かなければ未然に防ぐことができるトラブルですが、最近ではマッチング・アプリで待ち合わせた女性の家についていって、という報告も多くなってきています。
 なお、言うまでもありませんが、買春は違法行為であり、状況によっては最高で終身刑が科される重大犯罪となります。特に18歳未満の未成年者に対するわいせつ行為等は、たとえ双方合意の下であっても、終身刑等の重刑が科される例もあります。遵法意識を強く持ち、上記同様、見知らぬ人物の誘いには軽々に乗らないよう、またマッチング・アプリは利用しないよう十分留意してください。

6 その他
 マニラ市内を散策中、馬車の御者から、「たったの50ペソだよ」などと声をかけられて一人で乗車したところ、まもなく人気のない路地裏に引き込まれて、豹変した御者から「5万ペソ出せ」と脅された(近くに仲間がいるといわれ、怖くなって財布を差し出した)、といった報告も寄せられています。以前、マニラ首都圏で横行していた「タクシー強盗」の類似例ですが、声をかけてくる御者やタクシー運転手の誘いには乗らないことが肝要です。
 また、犯罪被害とは異なりますが、公共の場所での喫煙を見とがめられ、罰金の支払いを余儀なくされた、といった報告も寄せられています。現在、フィリピンでは、全土において、指定された場所以外での喫煙が禁じられています。警察官や自治体の係員等が厳格な取締り活動を行っており、ホテル、飲食店、ショッピング・モールといった商業施設等、すべての公共スペース(禁煙スペース)における喫煙はもとより、路上の歩行喫煙や吸い殻のポイ捨て等は、初犯でも罰金が科されますので、十分注意してください。
 犯罪被害例や防犯対策等、詳しくは「安全対策基礎データ(下記URL)」にも記載されていますので、併せ御参照ください。

 安全対策基礎データ:https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcsafetymeasure_013.html

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(問い合わせ窓口)
○ 在フィリピン日本国大使館
 住所:2627 Roxas Boulevard, Pasay City,Metro Manila
 電話:(市外局番02)8551-5710
 (邦人援護ホットライン)(市外局番02)8551-5786
 FAX:(市外局番02)8551-5785
 ホームページ:http://www.ph.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html

 

※本文は在フィリピン日本国大使館からのメールを引用しています。

 

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