在フィリピン日本国大使館は5月10日、マニラ首都圏及び近郊地域における邦人犯罪被害の傾向について注意喚起しました。
【ポイント】
●マニラ首都圏及び首都圏近郊地域における最近の邦人犯罪被害の 傾向と注意すべき点等をお伝えします。
●フィリピンで発生する犯罪のほとんどはグループによるものとみ られており、あらかじめターゲットを絞った上で犯行に及んでいる ことが多いと考えられます。常に狙われているおそれがあることを あらためて認識するとともに、トラブルに巻き込まれないよう、安 全対策や遵法意識を見直してください。また、仮に何らかの事件に 巻き込まれ、身の危険を感じた場合には、絶対に抵抗せず、 常に生命と身体の安全を最優先してください。
1 集団スリ被害
(1)典型例のひとつとして、商店街の歩道や狭い路地等において 、子供たちや浮浪者に取り囲まれ、小銭等をせがまれて困惑してい る隙に、バッグやウエストポーチの中から財布を抜き取られるとい う例が挙げられます。一人歩きはできるだけ避けるようにし、また 外出の際には、必要最小限の現金のみを持ち歩くようにする(ある いは財布を二個用意し、ひとつはすぐに取り出せるように工夫する )、見知らぬ人物から声をかけられても不用意に立ち止まることな く、毅然とした態度を示し、恐怖を感じた場合は近くにいる第三者 に大声で助けを求める等の行動を心がけるようにしてください。( なお、困っているところを助けに入ってくれた現地人と仲良くなり 、その後、他の犯罪に巻き込まれる( シナリオの一部になっている)例
もありますので、簡単に気を許さないよう十分な注意を払ってくだ さい。)
(2)もうひとつは、ショッピング・モールのエレベーターやエス カレーター、あるいは列車やバスの車中など、 混み合う状況において、小銭やバッグ等を落とし、拾い集める人物 とこれを手伝う人物等に行く手を阻まれ、進むことも退くこともで きず戸惑ううちに、バッグやポケットの中から財布などを抜き取ら れるという例が挙げられます。買い物中又は散策中も、前後左右の 人の動きにできる限り注意を払い、混み合うエレベーターやエスカ レーターなどにはできる限り乗らないようにするなどの心構えが肝 要です。
2 ひったくり被害
最近、バイクに乗った2人組によるひったくり被害が多発していま す。繁華街や人通りの少ない通りなど場所は様々ですが、後ろから バイクで近づいて肩からかけているバッグを奪う手口です。比較的 女性が狙われやすい犯罪ですが男性も被害に遭っています。外出時 は、歩行中も周囲の状況に十分注意し、またバッグなどはできる限 り身体の前に抱えて持つように心がけてください。なお、 被害に遭った場合は、引きずられて大怪我をすることのないように 、バッグをすぐに手から離すことも心がけておきましょう。
3 置き引き被害
ファスト・フード店やショッピングモール等において、バッグ等の 置き引き被害が相変わらず多発しています。
「現地人に話しかけられたので、これに応じている間に・・・」と いう報告の多さも特徴のひとつです。バッグ類は、常に目に見える 場所で確実に管理するよう心がけ、また席を外す際には必ず持ち歩 くようにしてください。
4 睡眠薬強盗被害
これまでも再三注意喚起を行ってきていますが、マニラ首都圏に滞 在される方、特に短期渡航者からの被害報告があとを絶ちません。
その手口、被害例、注意点等を以下のとおりお伝えします。睡眠薬 、精神安定剤等の向精神薬は、量や体調よっては身体に重大な影響 を及ぼす恐れがあることをあらためて認識し、 見知らぬ人物から誘われても、同行したり、手渡された飲食物に口 をつけたりしないよう、十分注意し、警戒してください。
(1)睡眠薬強盗とは
昏睡強盗、とも呼ばれますが、犯人が狙いをつけたターゲット(被 害者)に近づき、同行を促し、その移動中又は移動先の飲食店等に おいて、即効性のある睡眠薬等を混入させた飲食物を勧め、被害者 を眠らせて金品を強奪するもの、またその手口を言います。
精神安定剤(向精神薬)の一種である「Ativan(アティバン :登録商標名)」を用いることが多い犯人らの手口から、 フィリピンでは、警察をはじめ、一般的に「アティバン・ ギャングによる被害」と称されます。
(2)手口、被害例
ア ショッピング・モールや繁華街等の路上を散策中、見知らぬ人物か ら、「道を教えて欲しい」、「日本人? 日本にいる親類のことで相談があるんだけど」、「セブから旅行に 来てるんだけど、あなたも旅行?」、などと声をかけられます。
被害者の多くは、「話し上手で裕福そうな現地人風の年輩の女性だ った。」、「年配の女性と若い女性2名だった。」、また一様に、 「とても人を騙すような人物には見えなかった。」などと述べてい ますので、かなり巧みに被害者の心理を突いてくるものと考えられ ます。
イ これに応ずると、「実はそこで友達が待っている。」などと言われ 、徒歩、タクシー等で移動することになります。その後の被害例は 実に様々ですが、次のような例が挙げられます。
(ア)徒歩で飲食店に移動し、提供された飲食物を口にして意識を 失った。気がつくとホテルの自室で寝ており、ポケットの財布と携 帯電話がなくなっていた。ホテルの場所は伝えてあったが、 ホテルの従業員に聞いても、誰が送ってきたかはわからないと言わ れた。
(イ)タクシーに乗ったが、どこにいるかわからなくなり、また友 達と称する女性が2人便乗してきて、自分を取り囲んだ。その車内 で渡されたスナックとジュースを口にしたあとの意識がない。 気づくと空港のロビーで寝ており、旅券や財布等が入ったバッグが なくなっていた。
(3)注意すべき点
被害者の多くは、次のように述べています。前述の手口、被害例等 を十分に踏まえ、見知らぬ人物の誘いには始めから乗らないよう注 意することが肝要です。
ア 事例は承知していたが、誘い込む手口やプロットがきわめて巧みで 、まさか自分が巻き込まれているとは思わなかった。
イ 一度行動を共にしてしまうと、どこにいるかもわからず、また雰囲 気的にそこから抜けると言い出せなかった。
ウ みんなで飲み、食べていたので、自分だけ食べない、飲まない、と いうわけにはいかなかった。
5 恐喝(いわゆる美人局)被害
フィリピン、特にマニラ首都圏では、日本人を含む外国人男性を狙 った買春絡みの恐喝、いわゆる美人局(つつもたせ) が多く発生しています。ショッピング・ モールで若い女性に声をかけられ、同行した結果、金を出せと脅さ れ、強く拒否したところ男性が現れて(あるいは同行した結果、 レストランに誘われ、支払時にクレジット・ カードの利用を促され、後日、そのカードの不正利用が発覚する) ・・・といった例です。多くの場合、声をかけてくる若い女性につ いて行かなければ未然に防ぐことができるトラブルですが、 最近ではマッチング・アプリで待ち合わせた女性の家についていっ て、という報告も多くなってきています。
なお、言うまでもありませんが、買春は違法行為であり、状況によ っては最高で終身刑が科される重大犯罪となります。特に18歳未 満の未成年者に対するわいせつ行為等は、たとえ双方合意の下であ っても、終身刑等の重刑が科される例もあります。 遵法意識を強く持ち、上記同様、 見知らぬ人物の誘いには軽々に乗らないよう、またマッチング・ アプリは利用しないよう十分留意してください。
6 その他
マニラ市内を散策中、馬車の御者から、「たったの50ペソだよ」 などと声をかけられて一人で乗車したところ、まもなく人気のない 路地裏に引き込まれて、豹変した御者から「5万ペソ出せ」 と脅された(近くに仲間がいるといわれ、怖くなって財布を差し出 した)、といった報告も寄せられています。以前、マニラ首都圏で 横行していた「タクシー強盗」の類似例ですが、声をかけてくる御 者やタクシー運転手の誘いには乗らないことが肝要です。
また、犯罪被害とは異なりますが、公共の場所での喫煙を見とがめ られ、罰金の支払いを余儀なくされた、といった報告も寄せられて います。現在、フィリピンでは、全土において、 指定された場所以外での喫煙が禁じられています。警察官や自治体 の係員等が厳格な取締り活動を行っており、ホテル、飲食店、 ショッピング・モールといった商業施設等、すべての公共スペース (禁煙スペース)における喫煙はもとより、路上の歩行喫煙や吸い 殻のポイ捨て等は、初犯でも罰金が科されますので、 十分注意してください。
犯罪被害例や防犯対策等、詳しくは「安全対策基礎データ(下記U RL)」にも記載されていますので、併せ御参照ください。
安全対策基礎データ:https://www.anzen.mo fa.go.jp/info/pcsafetymeasure_ 013.html
・・・・・・・・・・・・・・・
この情報は、在留届、メールマガジン及び「たびレジ」に登録され たメールアドレスに自動的に配信されております。情報は同居家族 の方にも共有いただくとともに、同居家族の方が本メールを受信し ていない場合は、在留届へのメールアドレスの登録、または当館メ ールマガジンに登録をお願いします。
災害や騒乱等が発生した際、ご家族、ご友人、同僚を守るため、一 人でも多くの方に安全対策に関する情報が届くよう、在留届(3か 月以上の滞在)の届出、又はたびレジ(3か月未満の滞在)の登録 を、お知り合いの方や出張者・旅行者にご案内いただけますようお 願いいたします。
在留届・たびレジ登録
(https://www.ezairyu.mofa.go.j p/https://www.ezairyu.mofa.go. jp/ORRnet/ )
メールマガジン登録(https://www.mailmz.e mb-japan.go.jp/cmd/ph.html )
(問い合わせ窓口)
○ 在フィリピン日本国大使館
住所:2627 Roxas Boulevard, Pasay City,Metro Manila
電話:(市外局番02)8551-5710
(邦人援護ホットライン)(市外局番02)8551-5786
FAX:(市外局番02)8551-5785
ホームページ:http://www.ph.emb-japan .go.jp/itprtop_ja/index.html
※本文は在フィリピン日本国大使館からのメールを引用しています。
一つ前の記事: 【JETROフィリピンから】ロシア・ウクライナの軍事衝突と中国の新型コロナ対策の影響をフィリピンのエコノミストは懸念
一つ次の記事: 【フィリピンでフランチャイズ】チキンウィング店がオーナーを募集中!
新着ブログ
2024年12月23日
在フィリピン日本国大使館は12月23日、マニラ首都圏における強盗事件に関する注意喚起を発表しました。
2024年12月23日
いよいよクリスマスシーズンが到来し、さまざまなホテルやレストランで、クリスマス限定のプロモやギフト、イベントなどが用意されています。
2024年12月20日
本日12月20日、フィリピンアラバンのフェスティバルモールに ニトリフィリピン4号店 がオープン!既にMITSUKOSHI BGC、グロリエッタ、SMモールオブアジアに店舗がありますが、今回の新店舗は 800坪と4店舗の中では最大の広さを誇ります。広々とした店内には、これまでの店舗にはない新たな魅力が満載!
2024年12月16日
今月号では、ここ2年以内にオープンした新しいカフェと、知っておきたい王道のカフェをマカティ、BGCを中心にピックアップしました。さらに、アフタヌーンティーも特集。ビジネス烈伝では、株式会社グーン専務取締役兼フィリピン支店長 SM GUUN Environmental Company, Inc. (SGECI) 小西 武史氏にお話を伺いました。ビジネス特集は不動産・内装と厨房機器・食品卸の二本立て。
2024年12月13日
ホテルオークラマニラの日本料理レストラン「山里」では、新年に向けておせち料理の注文を受け付けています。数量限定のおせちの予約は12月15日まで!お早めにお申し込みください。