JETROフィリピンは26日、新型コロナウイルスに関連する経済動向の新しい情報を発表しました。投資委員会が公表した投資の認可額についてです。
投資委員会、新型コロナの影響で1~4月の投資認可額が71%減少と発表
フィリピン投資委員会(BOI)は5月21日、2020年1~4月の投資認可額は841億ペソ(約1,776億円、1ペソ=約2.1円)となり、前年同期の2,867億ペソから70.7%減少したと発表した。計70案件が認可され、1万1,055人の雇用創出が見込まれるとした。
BOIは投資認可額の大幅な減少理由として、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大により、フィリピンへの主要な投資先の先進国における第1四半期(1~3月)の経済成長率が軒並みマイナス成長となり、経済活動や投資活動が阻害された点を指摘した。また、フィリピンの第1四半期の経済成長率もマイナス0.2%と、約21年ぶりのマイナス成長を記録した点を挙げた(2020年5月14日記事参照)。
2020年1月から4月までの投資認可額のうち、国内資本による投資額は707億ペソで、前年同期の2,197億ペソから67.8%減少した。外国資本による投資額は134億ペソとなり、前年同期の669億ペソから80.0%減少した。
投資認可額を業種別にみると、運輸・倉庫業が602億ペソで全体の71.6%を占めて最大となり、次いで不動産業(88億ペソ、シェア10.5%)、製造業(53億ペソ、6.3%)、発電(42億ペソ、5.0%)、宿泊業(38億ペソ、4.5%)が続いた。外国資本による投資認可額を国籍別にみると、フランスが15億ペソで首位、次いで日本(7億9,000万ペソ)、マレーシア(6億100万ペソ)、インド(3億2,500万ペソ)、英国(1億5,600万ペソ)となった。
BOIは、4月に認可された投資案件として、フィリピンのアンフロ・バナナ・コーポレーションによる東ダバオ州でのキャベンディッシュバナナ生産プロジェクト(6億1,600万ペソ)、フィリピンのマクリン・エレクトロニクスによるリサール州での扇風機、洗濯機、脱水機、エアコンといった家電製造プロジェクト(1億3,200万ペソ)を挙げた。
(坂田和仁)
(フィリピン)