JETROフィリピンは8日、新型コロナウイルスに関連する経済動向の新しい情報を発表しました。フィリピン経済特区庁(PEZA)の情報についてです。
新型コロナ感染対策が続く中でPEZA企業の約8割が操業
フィリピン経済特区庁(PEZA)は7月2日、「6月前半にPEZA経済特区の入居企業を調査したところ、回答企業の78%に当たる2,517社が操業していることを確認した」と発表した(7月2日付フィリピン情報庁ウェブサイト)。業種別で見ると、輸出製造業の88%、IT-BPO(ITを活用したアウトソーシングビジネス)の78%、地方別で見ると、ルソン地方の80%(2,139社)、ビザヤ地方の70%(355社)、ミンダナオ地方の90%(43社)が操業しており、これら企業には118万人を超える従業員が勤務している。
また、同日の発表で、PEZAのプラザ長官は「経済中心地のマニラ首都圏やカラバルソン地域の行動制限をさらに緩和すべきとする財務長官の提言を支持する」と表明した。フィリピンは3月17日から広域隔離措置(ECQ)を施行しており、人と産業が集積するマニラ首都圏やカラバルソン地域でも、6月に入って、ようやく各種の行動規制が緩和された。長期にわたる経済活動制限で政府の財政や民間経済の受けた打撃は大きく、経済復興を加速するために、7月は両地域のさらなる規制緩和が期待されていた。
しかし、大統領を長とする政府の感染対策本部は慎重な姿勢を堅持し、7月1~15日についてはカラバルソン地域の一部(ラグナ州、バタンガス州)のみ規制を緩和し、マニラ首都圏、カラバルソン地域の他地域は従前の措置で据え置くこととした(「フィリピンにおけるコミュニティ隔離措置2020年7月1日改訂版」参照)。
今回のプラザ長官の発表は、7月の隔離措置についての発表の会合で、ドミンゲス財務長官が経済復興の観点から両地域の規制緩和を早期に実現するよう提言したことを受けたものである。両地域に多くの経済特区を持つPEZAが財務長官の提言を支持した格好だ。
(石原孝志)
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