JETROマニラは、第3四半期のGDP成長率に関する情報を発表しました。
第3四半期のGDP成長率は前年同期比7.6%、事前の予測を上回る水準に
フィリピン統計庁(PSA)は11月10日、2022年第3四半期(7~9月)の実質GDP成長率を前年同期比で7.6%と発表した(添付資料表参照)。6%に満たないとした経済アナリストの予測を上回る、高い成長率を達成した(「マニラ・タイムズ」紙2022年11月10日ほか)。また、前期比の成長率(季節調整済み)では、2.9%とプラス成長に転じた。
前年同期比の実質GDP成長率を需要項目別にみると、国内総固定資本形成が21.7%増、輸出が13.1%増と高い伸び率を示した。輸出項目の中では、サービスが32.5%増と大きく増加した。サービス輸出を牽引したのは旅行で、4.1倍と顕著な伸びを示した。フィリピン政府は、新型コロナウイルス感染対策を目的とした水際措置の緩和を進めており、インバウンド消費のさらなる活性化を志向している(2022年11月11日記事参照)。一方で、政府最終消費支出は0.8%の微増にとどまった。
前年同期比の成長率を産業別にみると、農林水産業は2.2%増、鉱工業は5.8%増、サービス業は9.1%増となり、いずれもプラス成長となった。サービス業の中では、宿泊・飲食が40.6%増と特に大きな伸びを示した。また、運輸・倉庫も24.3%増と高い値になった。
アルセニオ・バリサカン国家経済開発長官は「2022年第3四半期の良好な経済パフォーマンスは、対面授業の再開を含む、移動・活動制限の緩和が進んでいること、それによって人々の消費活動が勢いづいたことによって実現した」と述べた(政府通信社2022年11月10日)。加えて、同長官は、フィリピン政府が目標とする2022年の経済成長率6.5~7.5%について、達成する見込みだとした。
(吉田暁彦、サントス・ガブリエル)
(フィリピン)