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ビジネス烈伝 BOTEJYU® Group(ぼてぢゅう®) 代表取締役グループ CEO 栗田 英人氏 VIVA Communication Inc. Chairman Mr. Vicente Del Rosario, Jr

×(掛ける)のパートナーシップで、日本の文化を
発信する日本料理専門店へーBOTEJYU®

 

 

 

 

フィリピンにある日本食レストランブランドの中で、最も多くのエリアで店舗を保有しているのはどこかご存じですか?答えは「BOTEJYU®(ぼてちゅう®)」。今年の8月にフィリピンで8周年を迎え、現在89店舗を展開していますが、その躍進の秘訣は?そして、目指すところは?BOTEJYU®グループの栗田氏と、フィリピン側のパートナーであり、フィリピンを代表するエンターテイメント企業VIVA Communication Inc. Chairman Vicente Del Rosario, Jr さんにお話を伺いました。

 

 

編集部

 

フィリピンでの沿革を教えてください。

 

栗田氏

 

最初にロザリオ(Rosario)さんにお会いしたのが2014年、翌年にはパートナー契約を締結して、2016年7月にMOA(SM Mall of Asia)にBOTEJYU®フィリピンの一号店を出店しました。

 

ロザリオ氏

 

フィリピン全土における出店数は、8月時点で89店舗、来年には当初の予定を前倒しして100店舗まで出店する予定です。現在約2000名の従業員を抱える外食チェーンになりました。

 

栗田氏

 

フィリピンにおける日系のレストランチェーンの中で最も店舗数が多いグループです。

 

 

編集部

 

パートナー契約をした背景は?

 

ロザリオ氏

 

栗田さんにお会いした当時、すでにVIVAグループでは、ファストフードFC(フランチャイズ)を運営していましたが、栗田さんと出会ったことで日本食店に興味を持ちました。 高級日本料理ではなく、BOTEJYU®グループで提供しているような、大衆向けの料理であれば、多くのフィリピンの方々にアプローチすることができて、我が国における食のインフラ整備ができると考えたのです。

もう一つ、 フィリピンでは、BOTEJYU®グループのように70年以上も生き残れる企業は稀です。しかし、私にはグループを次の世代に引き継ぐという使命がある。ですから、栗田さんから日本式の経営を学びつつ、一緒にビジネスを拡大していけたらと考えたのです。

 

栗田氏

 

日本食にはほとんど馴染みのない方が多いフィリピンでの展開は、我々にとって大きな挑戦ではありました。しかし、VIVAグループにはエンターテインメント事業で培ったプランド力とPR力があります。
また、映画配給事業を通じた映画館のある大型商業施設との太いコネクションも持っており、デペロッパーが、エンターテインメントと食体験をセットで提供できる我々を歓迎しないわけがない、そう判断しました。 またフィリピンは若年人口が多く活気があります。経済成長が著しいフィリピンの市場に大きなのびしろを感じました。お互いに響きあうものがありましたね。

 

 

編集部

 

コロナ禍におけるビジネスは?

 

ロザリオ氏

 

ロックダウンの時はいったん、すべての店舗をクローズし、その後もデリバリーのみの対応でした。我々は路面店でなくSM、Ayala、Rоbinsоnsといったモール内での店舗展開をメインに進めていましたのでモールのクローズに準じた営業状況でした。

 

栗田氏

 

しかし解雇者は0だったんですよ。従業員をしっかり守ってくれたことに非常に感謝しています。
ロザリオ氏 実は、我々はパンデミックの間に毎月4、5店舗づつ店舗数を増加しました。逆張りですね。パンデミックの間に何ができるか考えたとき、多くの店舗が撤退したことで出店可能地が増加して、店舗展開が明確に見えてきたのです。
パンデミックの間は長期的な視点に立ってみれば、我々にとって大きなチャンスになりました。もちろん先行投資的ですが、この時期がBOTEJYU®フィリピン大きな転換期になりました。

 

 

編集部

 

BOTEJYU®フィリピンが目指すのはどんなレストランなのでしょうか。

 

ロザリオ氏

 

フィリピンにおけるお客様へのコンセプトは ”Authentic Japanese Traditional Cuisine®”、メニューは”Japan Traveling Restaurant®”―この2つのコンセプトをベース展開しています。

 

栗田氏

 

”Japan Traveling Restaurant®”は「日本を旅するレストラン」。日本中を列車で北海道から沖縄まで旅をしているように楽しんでいただけるようなレストランになろうというものです。

旅の中で出逢うのはご当地グルメで、それを我々は”Authentic Japanese Traditional Cuisine”と呼んでいます。ソウルフードとかローカルフードというくくりではなく、地域ごとにに根付いている味、故郷の味、一般大衆的な味、それらを「日本料理」と定義して、メニュー構成を考えています。和食が職人さんが作り上げる創作料理だとすれば、私たちがフィリピンで伝えようとしている料理は、地域の方々が日常的に食している料理です。いわば、「日本料理専門店」のイメージです。

日本のBOTEJYU®グループは、日本の「B1グランプリ®」をサポートしており、我々は大阪のご当地グルメ・お好み焼きの啓蒙活動を行う一方で、運営にも携わって全国各地の地域の方々と交流してきました。皆さん、我々と同じく地域の味をしっかり伝えて地域再生につなげようと一生懸命に取り組んでおり、活動をもう何十年と続けています。

今回、7名の日本の “SAМURAI IRON CHEF®“ をフィリピンの全店でご紹介しました。皆さん日本の地域で活躍し、フィリピンでの我々の地域の本物の味を伝える取組に賛同してくださった方々です。そんな方は日本全国にいらっしゃいますので今後もSAМURAI IRON CHEF®はどんどん登場する予定です。来年は12名のシェフを、そして、それに終わらず、未来につなげる継続性のある取り組みにしていきたいと考えています。料理人の方にとっては世界で活躍する場になるかもしれません。また日本の47都道府県の方にもその地域を知ってもらう場になるでしょう。日本の地域、日本の料理、日本の料理人、そして日本の四季も、しっかりと伝えていく、そのきっかけとなる場所になっていきたいと考えています。

 

ロザリオ氏

 

BOTEJYU®フィリピンでは9月1日からTVアニメ「進撃の巨人」とのコラボ企画を行っています。日本のアニメはフィリピンでも高い人気を誇る日本文化の一つです。今後もBOTEJYU®のフィリピンの各店舗で音楽やアニメなどとコラボして日本の文化を伝える場にしていきたいと考えています。

 

栗田氏

 

VIVAがエンターテイメント企業であることが、活動を後押ししてくれていますね。
グローバル単位で考えると、フィリピンに限らず日本文化の発信が求められていると感じます。インバウンドで日本に来られている方は増加しているとはいえ、実際にはフィリピンでいえば9割以上の方が日本に来ることができないし、アメリカでさえ訪日者は400万人くらいのレベルです。ですから我々は各国で日本を発信する場所になりたい。それが”Japan Traveling Restaurant®”のコンセプトです。

 

ロザリオ氏

 

我々は新店舗のオープンの際にVIVAのアーティストの方が参加してイベント性の高いオープニングセレモニーを行っています。また8月の8周年記念には、多くのアーティストが参加しエンターテインメント性の高いイベントをマッキンリーヒルで開催しました。フィリピンの方は楽しいことが大好きでイベントも大いに楽しんでくれていますね。そして今後は、BOTEJYU®とともに、フィリピンだけでなく、東南アジアやアメリカなどにも進出する予定です。

 

栗田氏

 

私たちの世界観は「BOTEJYU®+VIVA」ではなく、「BOTEJYU®×VIVA」なんですよ。お互いの持ち味を生かして新たにうまれるものがBOTEJYU®の世界観です。他でやったことのない業態作りを今、目指しているのです。一般大衆の皆さんに喜んでいただけるような新しい業態です。ぜひフィリピンにいらっしゃる日本人の皆様にも私たちに賛同していただき、共に取り組んで行けたらと思います。

 

 

編集部

 

1号店オープンの際にはご苦労されたと聞きました。

 

ロザリオ氏

 

2016年7月1日オープン予定 が、7月22日になってしまった。 すでに工事が完了していたというのに、 神山専務が 「こんな店ではオープンできない。 工事、やり直し!」とおっしゃって。 なかばケンカでしたね(笑)。「日本ではここまで内装の仕上がりにこだわるのか! この程度でいいではないか!」と。

 

栗田氏

 

BOTEJYU®の看板を掲げるのですから、私たちも妥協するわけにはいきませんでした。

 

ロザリオ氏

 

日本のレストランをオープンするは、こんなに手間とコストがかかるのかと驚きました。

 

栗田氏

 

しかし、さまざまな改善をして、2号店以降は当初よりもコストをかけずにオープ ンできるようになりました。

 

ロザリオ氏

 

1号店オープンの際にがんばってくれたスタッフは、すごい勢いで成長し、いまでは我々の貴重な戦力になっています。現在も約30名中25名近くが残っています。フィリピンでは、すぐに次の職場が見つかるので、イヤなことがあればみんなすぐ辞めてしまいますから、奇跡みたいです。

 

栗田氏

 

日本の飲食業界でも離職率は高いですね。ただ、人手不足が深刻化しているため、スタッフが辞めないように、どの企業もあの手この手で工夫をこらしています。ぼてぢゅう®グループとしては、研修を通じて働くことの本質をしっかり理解してもらったり、やりがいを感じながら働いてもらえるような環境を整備したり、がんばればポジションも、給与も上がっていき、仕事への誇りが生まれるだけでなく、 生活が豊かになるということをコツコツ教えています。

 

ロザリオ氏

 

それをフィリピンでもやってもらえて助かりました。「キャリアとは何か?」 「仕事を通じて成長することの意味は?」「お客様や社会に貢献することとは?」といった大切なことを考える機会もそう多くないと思います。それを、スタッフはもちろん経営層にも与えてもらったことに感謝しています。

 

栗田氏

 

VIVAは芸能界のタレント育成もしていて、ノウハウがあり人材の育成がお上手なのではないかと思います。初期メンバーだけでなく急激な展開をしていく中で従業員が定着しているのは非常に重要な要素です。

我々は、他の外食企業と比べて大きく変わったことはしていないのですが、職種を明確にして教育を行って資格制度を設けています。たとえばキッチンでいえば、「お好み焼マイスター」のように各料理のマイスター 、BOTEJYU® Traditional Meister(ぼてぢゅう®伝統技能士)、スペシャリスト、そしてレジェンドへと昇格できるなどの資格制度でスキルを上げていき、それとともに給与も増加します。日本でいう等級とシンクしており、一つ一つ筆記と実技試験があります。マーケティング部門など他の部門にも同様の資格制度を設けるなどしています。

 

 

編集部

 

メニューはどのように作られているのでしょうか。

 

栗田氏

 

メニュー構成は、日本側で担当しているのですが、正直かなり苦労しています。日本食のファミリーレストランにふさわしい多種類のフルアイテムを時間もかけて作っています。

BOTEJYU®はアメリカ、中国、台湾、韓国、シンガポール、ベトナム、フィリピンと8か国で海外展開をしてきましたが現状はベトナムとフィリピンだけの展開になりました。撤退した6か国の経験から、食習慣や宗教など、様々な要素に対してどのようにローカライズしていくかが大いに勉強になりました。どれだけ現地の目線に立てるか、それが大きな課題です。

日本のぼてぢゅう®グループは、2019年に特定技能制度が始まってからいち早くフィリピンの方を受け入れました。現在では70名近くの人が当社の正社員として働いてくれており、商品開発などにも参加してもらいプロジェクトを進めています。たとえばラーメンでいえば、日本は熱々を伸びないうちに食べる、でもフィリピンの方は熱いのがダメでしょう。またカリフォルニア巻きも裏まきが好まれます。 どれだけ現地の目線に立てるか、それが大きな課題であり、われわれの苦労のしどころなのだと思います。

 

BOTEJYU®はご家族で楽しめる日本料理のファミレス。「日本米」も販売中!

 


BOTEJYU® Group
取締役 グループCBO 
栗田 翔伍氏

 

BOTEJYU®では、この9月からメニューを刷新、日本の39のパートナー様達が参加した新メニューを追加したほか、より体系的なメニュー構成になりました。BOTEJYU®はいわば日本料理のファミレスです。ご家族やお仲間で日本食を食べに行くときにご利用いただける、日本の方に馴染み深い日本料理が揃っていて、皆が楽しむことができる、そんなレストランを目指しています。きっと日本人の皆さまにも懐かしいメニューに出逢っていただけると思います。メニューやレシピは全て日本側で管理し、本物の日本の味を提供しています。フィリピンの方の嗜好に合い、かつ日本の地域の本来の味を活かすようにと試行錯誤した自信作です。

またBOTEJYU®では、岩手県産の「ひとめぼれ」を販売しているのをご存じでしょうか?「ひとめぼれ」は、ルソン島だけでなくフィリピン全土のBOTEJYU®で、お手頃な価格で購入することが可能です。ぜひ多くのフィリピン在住の日本人の皆様にも楽しいひと時をBOTEJYU®でお過ごしください



創業メンバーがほぼ残り研鑽している独自の人材育成法やメニュー秘話など、気になる続きはUP次第、SNSにてポストいたします。

 

BOTEJYU®︎ Japanese Restaurant 【 日本料理 ぼてぢゅう® 】はこちらから

https://primer.ph/eat/genre/japanese/botejyu-japanese-restaurant/

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