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NAIAで従業員が銃弾恐喝事件にあったら?【フィリピンで役立つ!フィリピン法律あらかると 第十三回】

『NAIAで従業員が銃弾恐喝事件にあったらどうするの?』

  前回はフィリピン人との結婚と離婚についてお話させていただきました(前回のフィリピンあらかると に掲載されていますので、見逃された方は是非ご覧ください)。今回はフィリピンで車に乗っていて事故にあったときの手続等についてお話しさせていただきます。

今月の事例

従業員からマニラ空港で銃弾恐喝事件にあって現在警察が呼ばれているとの連絡が入りました。どうしたらいいですか?
空港職員から手荷物に銃弾が入っていることを指摘され、口止め料要求された金銭の支払いを拒絶したところ、空港職員が警察を呼んでいるとの連絡が従業員から入りました。このとき、どのように従業員に伝え、私はどうすればいいのでしょうか。

まず、手荷物検査をしているのは警察官ではなく、空港職員です。空港職員は警察官ではありませんので、従業員を逮捕することはできません。

いずれにせよ、口止め料を要求され、これを拒否して警察官が呼ばれる事態になった時点で真っ先に考えるべきは自分の権利を守ることにあります。また、会社としても事態を放置した場合にはさらに重い結果になってしまうことも考えられますので、そのような事態とならないよう手段を講じるとともに、従業員に対してあらかじめ指導を行っておくことが必要です。従業員に対しては、もし事件に巻き込まれたら以下のことをするように指導しておきましょう。

事件にあったら行うこと

①大声で周りに訴える
②会社や家族、大使館に連絡をする
③弁護士か大使館職員が来るまで話をしないことを警察官や空港職員に伝える
④銃弾や銃弾の入っていたとされる手荷物に触らない

容疑者には黙秘権がありますし、警察も弁護士や大使館職員が来るまで待たなければならない義務がありますので、会社や家族、大使館に連絡して弁護士や大使館職員が来るのを待つよう指示しましょう。なお、大使館に連絡された場合、弁護士の紹介等のアドバイスを受けることができ、また必要に応じて領事の方が面談されることもあります。

事前の準備

最も重要なことは事前に準備をしてこのような事件に巻き込まれないようにすることです。そこで、以下のことを行うよう、従業員に周知徹底しましょう。会社も従業員から緊急連絡があった際に対応できるよう準備をしておくことも必要です。

① 外側にポケットのあるスーツケース等は利用せず、鍵をかけた上で、鍵の部分にシールを張る(X線を通すときは自分の側に鍵の部分を向ける)。
② 仮に外側にポケットのある手荷物があるときは全体をラップで包むかポケット部分を施錠する(X線を通すときはポケットのある部分を下向きにする)。
③ 手荷物は他人に触らせない。
④ X線を通すときは空港職員の様子に注意する。
⑤ 携帯電話にあらかじめ緊急連絡先を登録しておく(大使館、会社の担当者、顧問弁護士等)。なお、大使館の邦人擁護ホットラインの電話番号は02-551-5786(24時間対応)ですので、必ず登録しておきましょう。

結論

従業員には追って連絡するまで待つように伝え、
直ちに大使館に連絡を入れるとともに、
顧問弁護士に連絡を入れましょう。

本本稿においてフィリピン法に関する記載につきましては、Quasha Law法律事務所の監修を受けております。



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弊事務所は、下記のフィリピンの法律事務所と提携しており、フィリピン進出中の日本企業及び在留邦人の方々に日本語での法律面でのサポートを提供させていただいております。取扱業務:会社設立、企業法務、倒産、労務問題、税務問題、一般民事、相続等


Quasha, Ancheta, Peña & Nolasco
住所: Don Pablo Building 114 Amorsolo Street, 12290Makati City, MetroManila, Philippines
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(左) 弁護士 上村真一郎
(右) 弁護士 鳥養雅夫
(桃尾・松尾・難波法律事務所)
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フィリピン法律あらかると 前回のコラム

『フィリピンで交通事故にあったらどうするの?』 今回はフィリピンで車に乗っていて事故にあったときの手続等についてお話しさせていただきます。

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