ネグロス島の農民の自立を支えるマスコバド糖
フィリピン中部のヴィサヤ諸島にある島、ネグロス島。島の耕作可能地のほとんどがサトウキビのプランテーションというフィリピンの砂糖の産地として名高い島です。この島でフェアトレードによって、農民の自立支援を支えてるのが、マスコバド糖(mascobado)。サトウキビを丸ごと絞り、時間をかけてゆっくり煮詰め自然乾燥させた粉末状の黒砂糖。フィリピンでは、お菓子作りや伝統的な料理でマスコバド糖が使われています。
サトウキビの美味さがギュッとつまったコクのある味に、さらに、白砂糖では通常精製を通して失ってしまう主要な栄養素を含んでるのが特徴。特にカルシウムやマグネシウム・鉄分などミネラルが豊富で、クセのない味はどんな料理にもつかいやすく、さまざまな素材の味を一層引き立ててくれます。
参考:オルター・トレード・ジャパン(ATJ)
(※このリンクはPC版のみ対応)
マスコバド糖を使ったレシピ
フィリピンの砂糖つぼ、ネグロスの素材にこだわったマスコバド糖ならではの甘味を美味しくいただきましょう。
■ マスコバド糖でつくる黒みつ
<材料>
マスコバド糖:大さじ4
三温糖(ライトブラウンシュガーで代用可)大さじ1
水:150ml
- お鍋にマスコバド糖、三温糖、水を加えて中火にかけ、煮立てて砂糖を溶かす。アクができてきたらすくう。
- 砂糖が完全に溶けたら火から下ろし、あら熱がとれたら冷蔵庫で冷やしておく。
溶け残りが気になる方は一度漉すといいです。 - フィリピンの豆腐デザートのタホや、和菓子用の黒みつに使えます。
■ マスコバド糖クラムのパウンドケーキ
<材料>
(生地)
バター 50g
砂糖 40g
卵 1個
ヨーグルト 80g
小麦粉 70g
ベーキングパウダー 小さじ1/3
重曹 小さじ1/3
(黒砂糖クラム)
マスコバド糖 70g
くるみ 50g
バター 30g
シナモン 小さじ1/2
- パウンドケーキ型18cm-
- クラムを作る。くるみを荒く刻み、ボールに入れ、マスコバド糖とシナモンを入れ混ぜる。
- 冷たいバターを荒く刻み、(1)のボールに入れ、バラバラになるように混ぜる。冷蔵庫で冷やす。
- 生地を作る。バターを常温で柔らかくし、砂糖と混ぜる。さらに卵を加え、混ぜる。
- ヨーグルトを加えて混ぜる。オーブンを190度に予熱。
- 粉類を加える。生地が完成。
- 紙を敷いたパウンド型に 生地の半分を流し、平らにする。
- 冷蔵庫で冷やしておいたクラムの半分を生地の上の散らす。残りの生地をクラムの上に流し、平らにならす。
- 残りのクラムを生地に均等に散らす。
- オーブンで40~50分ほど焼く。
ネグロス農民を支える日本のフェアトレード
日本には、生協や産直団体、市民団体により設立されたオルター・トレード・ジャパン(ATJ)(※このリンクはPCのみ対応)によって、マスコバド糖は、届けられています。1980年代に、砂糖の国際価格が大暴落し、ネグロス島の砂糖産業もほぼ壊滅状態になりました。農園で働いていた農業労働者も失業に追い込まれ、多くの子供たちが飢餓に直面しました。このような窮状を受け、日本では日本ネグロス・キャンペーン委員会(JCNC) が設立され、ネグロス島の人たちが自分たちでものを生産し、それを公正な価格で買取るという交易活動を通じて、自立を促す手助けをしています。