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海外向け人材紹介業を行うには【フィリピンで役立つ!フィリピン法律あらかると第四十八回】

『海外向け人材紹介業を行うには?』

 

今月の事例

Q.日本向けにフィリピン人の人材を派遣するための人材紹介業を行いたいと考えていますが、可能ですか?

 

<人材紹介業のライセンス>


  フィリピンにおいて商標権による保護を受けるためには、商標権の登録がなされる必要があります。商標権の登録の方法としては以下の2種類の方法があります。

 

1.新市場の証明に関する書類

新たにライセンスを受けようとする法人は、既に潜在顧客があることを証明することが必要になります。具体的には、日本など、OFWが働くことになる国に存在するフィリピン海外労務事務所(Philippine Overseas Labor Office;POLO)またはフィリピン大使館が認証した雇用紹介契約・委任契約が日本の雇用者との間で締結されていることが必要となります。ただし、日本の雇用者とはこれまで他の人材紹介業者との間で契約を締結したことがないことが必要です。

 

2.資力証明


500万ペソ以上の銀行預金残高があることの証明が必要であるほか、POEAに対して銀行口座を調査する権限を与えることに同意することが要求され、取締役及び主要株主の最低でも直近2年間の確定申告書等の提出が求められます。

 

3.取締役等の連帯責任承諾書

 

取締役及び役員による、労働者に対して認められた請求及び損害賠償につき、会社と連帯して責任を負担することを認める承諾書の提出が求められます。

 

4.その他

 

上記に加えて役員の無犯罪証明や、事前のオリエンテーション出席証明、事業方針についての説明書や事業開始後の収支計画などを含む事業計画の提出も求められます。上記の新規ライセンス取得申請を提出しますと、POEAの係官によるヒアリングが行われ、POEAが申請を受理するかどうかを決定します。申請が受理された場合でもライセンスの発行に当たっては、更なる要求事項を充たす必要があります。
具体的には、オフィスの所有又は賃借を証明する書類、オフィスのレイアウト図、機器等の在庫リスト、役職員の組織図の提出に加えて、ライセンス料(10万ペソ)および銀行に預託金(1000万ペソ)を積んでいることの証明などが必要になります。上記の要求事項が充たされていることを係官が確認しますと、POEAは2年間有効の仮ライセンスを発行します。仮ライセンスの発行を受けてから2年間に最低100名以上の労働者を海外に送り出し、その間に何ら問題がなかった場合、ようやく正式ライセンスの発行を申請することができます。
以上のように、新規ライセンスの発行に際しては事前に準備する事項が多岐にわたり、また、新たな雇用先を見つけておく必要があるなど要件が厳しいですので、十分に時間をかけて申請を行う必要があるといえます。

 

 

結論

A . ネガティブリスト上、外資は25%の株式取得までに制限されていますが、75%の株式を所有するローカルパートナーと組んで行うのであればライセンスを取得した上で行うことは可能です。

本稿においてフィリピン法に関する記載につきましては、Quasha Law法律事務所の監修を受けております。



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弊事務所は、下記のフィリピンの法律事務所と提携しており、フィリピン進出中の日本企業及び在留邦人の方々に日本語での法律面でのサポートを提供させていただいております。取扱業務:会社設立、企業法務、倒産、労務問題、税務問題、一般民事、相続等


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