『一時帰国中の駐在員のフィリピンに残った家族のビザ』
今月の事例
まず、一般的な家族用の9(g)ビザの取得の方法から説明させていただきますと、家族用のビザは駐在員本人が9(g)ビザを取得するときに同時に申請するケースと、先に駐在員本人が赴任して9(g)ビザを取得したあとに家族を呼び寄せてビザ申請をするケースの2種類があります。なお、コロナによるコミュニティ隔離措置前は申請書類の提出後、移民局(BI)で申請者に対するヒアリングが行われていましたが、現在はこのヒアリングの手続は行われていないとのことです。
次に、一般的な家族用9(g)ビザの更新手続ですが、これは、駐在員本人の9(g)ビザ更新の手続きと同時に申請がなされ、駐在員本人のビザ更新がなされた場合、家族も同時に更新がなされます。もっとも、この申請を行うためには、申請者、すなわち、駐在員本人と家族がフィリピン国内にいる必要があります。
それでは、設問のように、駐在員本人が日本に一時帰国している場合ですが、原則論からいいますと、本人のビザが本人がフィリピンにいないため期限までに更新できないとなると、駐在員本人だけでなく、家族のビザも期限の経過により失効することになります(原則的には失効前にビザのダウングレード手続を行うことが求められ、それを怠りますと罰金が科される可能性があります)。しかしながら、コミュニティ隔離措置に伴い、外国人のフィリピンへの入国が制限されている現状に鑑み、移民局に確認したところによりますと、事情を説明する文書を提出することにより、駐在員本人がフィリピン国外にいる場合であっても、家族用の9(g)ビザの更新申請を受け付けることもあるとのことです。具体的な手続につきましては専門家にご相談されることをおすすめ致します。
なお、2月4日付のIATF決議第98号により、これまでは2020年12月17日以降にフィリピンを出国した方に限られていた9(g)ビザ保有者の再入国が、2020年3月20日時点、かつ、再入国時も有効なビザを有する方については2021年2月16日以降可能となったようですが、詳細については本稿作成時点ではよくわかっていません。引き続き、フィリピン政府の発表を随時ご確認ください。
結論
本稿においてフィリピン法に関する記載につきましては、Quasha Law法律事務所の監修を受けております。
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
弊事務所は、下記のフィリピンの法律事務所と提携しており、フィリピン進出中の日本企業及び在留邦人の方々に日本語での法律面でのサポートを提供させていただいております。取扱業務:会社設立、企業法務、倒産、労務問題、税務問題、一般民事、相続等
Quasha, Ancheta, Peña & Nolasco
住所: Don Pablo Building 114 Amorsolo Street, 12290Makati City, MetroManila, Philippines
電話:02-8892-3011(代表)・02-8892-3020(日本語対応)・0917-851-2987
E-mail: [email protected]
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
(左) 弁護士 上村真一郎
(右) 弁護士 鳥養雅夫
(桃尾・松尾・難波法律事務所)
〒102-0083
東京都千代田区麹町4丁目1番地
麹町ダイヤモンドビル
電話:+81-3-3288-2080
FAX:+81-3-3288-2081
E-mail: [email protected]
E-mail: [email protected]
URL: http://www.mmn-law.gr.jp/