フィリピンの労働組合【フィリピン法律あらかると第七十九回】
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『フィリピンの労働組合』
今月の事例
Q.従業員から社内に労働組合を組織する予定であるとの通知を受けました。会社としてはどういう対 応をすればよいのでしょうか?
従業員から社内に労働組合を組織する予定であるとの連絡が来た場合、会社としてはどうしたらよいので しょうか。労働法上、労働組合を含む労働者団体は、労働協約または雇用条件に関連して雇用主と協議することを目的として存在する組織として定義されており、憲法上も労働者には団結権が保障されています。これを受け、労働者による団結権の行使に雇用主が介入することは不当労働行為(Unfair Labor Practice)に該当するとして法律上禁止されており、刑事罰の対象ともなっていますので、そのような行為を行わないよう、注意が必要です。労働法で禁止されている、労働者の団結権の行使の妨害としての不当労働行為として認定された具体的な事案としては、労働者に誰が労働組合に加入する予定であるのかを執拗に質問すること、労働組合結成の活動をしている従業員のタイムカードを撤去し、就業できなくすること等があります。これらに限らず、団結権の行使の妨害と取られかねない行動を行わないよう、注意することが望ましいでしょう。
<フィリピンの労働組合>
フィリピンの労働組合は、1独立した労働組合と2登録済みの上部団体の支部として設立される組合の2種類があり、前者の場合、組合の定款や付属定款を定めるとともに、役員を決定し、さらに代表しようとする職域の構成員の20%以上の参加予定者のリストを含む必要な書類をDOLEの地方事務所に提出して登録証明書を取得することにより、また、後者の場合、上部団体から支部証明書を取得することにより、労働組合は法人格を取得し、法律により労働者団体に対して認められている様々な権利を保持する資格が与えられることになります。もっとも、労働組合が法人格の取得を取得すれば、直ちに雇用主が協議を行うことが義務づけられるものではありません。一職域において雇用主と労働協約の締結につき交渉ができる労働組合はSEBAと呼ばれる一つの労働組合に限定されており、複数の労働組合が存在している場合はもちろん、一つしか労働組合が存在していないとしても、その労働組合が一職域の労働者全体を自動的に代理することはできず、SEBAの認定を受けるために労働組合に加入する資格のある全労働者による投票を行い、過半数からの同意を得ることが必要になります(他方、1つしか労働組合が存在しない場合、SEBAの認定なくして雇用主が自発的にその労働組合と交渉することは可能です)。したがって、労働組合の結成の動きが出てから、労働協約締結のための交渉等を始めるまでには時間がかかるのが一般的であり、その間は労働者の団結権の行使を妨害することなく、慌てず対応すればよいと考えます。
<フィリピンの労働組合>
フィリピンの労働組合は、1独立した労働組合と2登録済みの上部団体の支部として設立される組合の2種類があり、前者の場合、組合の定款や付属定款を定めるとともに、役員を決定し、さらに代表しようとする職域の構成員の20%以上の参加予定者のリストを含む必要な書類をDOLEの地方事務所に提出して登録証明書を取得することにより、また、後者の場合、上部団体から支部証明書を取得することにより、労働組合は法人格を取得し、法律により労働者団体に対して認められている様々な権利を保持する資格が与えられることになります。もっとも、労働組合が法人格の取得を取得すれば、直ちに雇用主が協議を行うことが義務づけられるものではありません。一職域において雇用主と労働協約の締結につき交渉ができる労働組合はSEBAと呼ばれる一つの労働組合に限定されており、複数の労働組合が存在している場合はもちろん、一つしか労働組合が存在していないとしても、その労働組合が一職域の労働者全体を自動的に代理することはできず、SEBAの認定を受けるために労働組合に加入する資格のある全労働者による投票を行い、過半数からの同意を得ることが必要になります(他方、1つしか労働組合が存在しない場合、SEBAの認定なくして雇用主が自発的にその労働組合と交渉することは可能です)。したがって、労働組合の結成の動きが出てから、労働協約締結のための交渉等を始めるまでには時間がかかるのが一般的であり、その間は労働者の団結権の行使を妨害することなく、慌てず対応すればよいと考えます。
結論
A.A.労働組合を組織することは労働者の権利として憲法上も認められており、これを妨害することは不当労働行為として罰せられる可能性があります。
本稿においてフィリピン法に関する記載につきましては、Quasha Law法律事務所の監修を受けております。
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