担保権の実行について【フィリピン法律あらかると第九十二回】
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『担保権の実行について』
今月の事例
Q.取引先への融資の担保として土地に担保権を設定していましたが、返済がなされませんでしたので、担保権を実行しようと思います。どのように担保権は実行されるのでしょうか。
フィリピンで担保権を実行する方法としては、裁判所外での競売手続と、裁判所での競売手続の2種類があります。
<裁判所外での競売手続>
裁判所外での競売手続は執行官(Sheriff)または公証人(notary public)の指揮のもとで行うことが可能であり、いずれの場合においても裁判所職員(Clerk of court)を通じて裁判所に対して競売の申し立てを行うことから始まります。書類の不備がないことが確認されると、裁判所は競売手続を担当する執行官または公証人を指定し、競売手続が開始されます。まず、執行官または公証人は新聞に競売手続を行う旨の公告を行います。この公告に、競売を行う日時、場所、被担保債権の内容、競売の対象となる資産の開示がなされます。参加を希望する者は、自力で対象資産の調査を行うことが求められます。公告された第1回目の競売日において、2名以上の入札者がいた場合はその日に競売手続が行われますが、それ以下の場合はもう1回競売手続を行い、1名でも入札者がいた場合は競売が成立します。
<裁判所での競売手続>
上記の裁判所外での競売手続ではなく、裁判所での競売手続を希望する場合、担保権の設定日、担保権者及び担保権設定者の名前及び住所、担保権の設定された資産の内容、被担保権の内容及び金額等を記載した申立書を裁判所に提出します。裁判所は審理の過程で申立書の内容を検討し、担保権者の申し立てに不備がない場合、担保権設定者に対して90日から120日以内に支払うべき金額を決定し、その期間内に支払いがなされなかった場合、担保権が設定された資産が競売手続に付されることになります。裁判所による競売においても、競売手続を行う旨の公告が新聞紙上でなされ、最高金額の入札を行った者に対して売却の決定がなされます。
上記の通り、裁判所での競売手続の場合、競売の申し立てから90日から120日は待機する必要がありますので、担保権設定者からの支払いが見込まれない場合は裁判所外での競売手続の方が回収が早いということが言えます。
裁判所外または裁判所での競売のいずれの手続によったにせよ、競売手続において売却先が決定し、売却価格の払い込みがなされた場合、そこから執行官や公証人、裁判所の手続費用を差し引いた残額から、担保権者が当該担保権により担保された被担保金額を上限として支払いがなされます。
なお、一般論として、担保権者も競売手続に参加して入札を行うことは可能ですが、フィリピンで営業することを認められた外国銀行を除き、外国人は入札に参加することはできません。
<裁判所外での競売手続>
裁判所外での競売手続は執行官(Sheriff)または公証人(notary public)の指揮のもとで行うことが可能であり、いずれの場合においても裁判所職員(Clerk of court)を通じて裁判所に対して競売の申し立てを行うことから始まります。書類の不備がないことが確認されると、裁判所は競売手続を担当する執行官または公証人を指定し、競売手続が開始されます。まず、執行官または公証人は新聞に競売手続を行う旨の公告を行います。この公告に、競売を行う日時、場所、被担保債権の内容、競売の対象となる資産の開示がなされます。参加を希望する者は、自力で対象資産の調査を行うことが求められます。公告された第1回目の競売日において、2名以上の入札者がいた場合はその日に競売手続が行われますが、それ以下の場合はもう1回競売手続を行い、1名でも入札者がいた場合は競売が成立します。
<裁判所での競売手続>
上記の裁判所外での競売手続ではなく、裁判所での競売手続を希望する場合、担保権の設定日、担保権者及び担保権設定者の名前及び住所、担保権の設定された資産の内容、被担保権の内容及び金額等を記載した申立書を裁判所に提出します。裁判所は審理の過程で申立書の内容を検討し、担保権者の申し立てに不備がない場合、担保権設定者に対して90日から120日以内に支払うべき金額を決定し、その期間内に支払いがなされなかった場合、担保権が設定された資産が競売手続に付されることになります。裁判所による競売においても、競売手続を行う旨の公告が新聞紙上でなされ、最高金額の入札を行った者に対して売却の決定がなされます。
上記の通り、裁判所での競売手続の場合、競売の申し立てから90日から120日は待機する必要がありますので、担保権設定者からの支払いが見込まれない場合は裁判所外での競売手続の方が回収が早いということが言えます。
裁判所外または裁判所での競売のいずれの手続によったにせよ、競売手続において売却先が決定し、売却価格の払い込みがなされた場合、そこから執行官や公証人、裁判所の手続費用を差し引いた残額から、担保権者が当該担保権により担保された被担保金額を上限として支払いがなされます。
なお、一般論として、担保権者も競売手続に参加して入札を行うことは可能ですが、フィリピンで営業することを認められた外国銀行を除き、外国人は入札に参加することはできません。
結論
A.執行官または公証人が主宰する裁判外による競売と、裁判所が主宰する競売のいずれかの方 法により担保権を実行することが可能です。
本稿においてフィリピン法に関する記載につきましては、Quasha Law法律事務所の監修を受けております。
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