ブログ
食べる
経済ニュース
コラム
求人情報

HOME >  フィリピンのコラム  >  就業規則【フィリピン法律あらかると第百三回】

就業規則【フィリピン法律あらかると第百三回】

『就業規則』


今月の事例

Q.フィリピンで子会社を設立するにあたり、就業規則は作らなくてはなりませんか?
 
 
日本の場合、常時10人以上を雇用する事業者は就業規則を作成のうえ、管轄の労働基準監督署に届け出る義務がありますが、フィリピンではそのような規則はありませんので、従 業員の数に関係なく、就業規則を作成する義務はありません。これは、フィリピンにおいては、会社の裁量に任せられる事項が広範に及ぶという原則(Management Prerogative)があるためです。他方、同じ理由で会社が従業員に対して適用される就業規則やポリシーを作成することもその権利として認められています。もっとも、会社は全く自由に就業規則を作ることまでは認められておらず、規則を作る場合は、その内容が明確であり、合理的であること、会社の業務に関連する事項についての規則であること、また、現実的、かつ、合法的なものであることが求められます。

以上の通り、就業規則を作ることは義務ではありませんが、就業規則を作ることは会社にとってもメリットがあると言えます。というのも、就業規則を定めることにより、会社が労働法に準じた従業員の取り扱いを行うことの助けになり、従業員にとっても自らの権利や義務が明確となることにより、誤解を防ぐことができるとともに、モチベーションを高めることにも資するといえるからです。

<就業規則の内容>

では、どのような事項について就業規則にて定めるべきかですが、会社の規模や業種により異なるものの、以下の事項について最低限定めることが一般的と思われます。

・従業員の地位(正社員、試用社員、契約社員等)
・就業時間(正規の就業時間、休日、時間外労働等)
・有給休暇(日数及び種類)
・給与及び手当
・紛争解決の方法
・会社への報告義務
・行為規範(ドレスコード等)
・就業場の安全、ハラスメント対策
・懲戒(懲戒事由及び手続等)

なお、就業規則において、労働法上従業員に対して与えられている権利を制限することはできませんので、そのような定めを行わないよう、注意が必要です。また、フィリピンの労働法と日本の労働法では労働者の権利が同じとは言えませんので、日本の親会社の就業規則で定めるものと同じ権利を付与する必要はありません。例えば、有給休暇につきましては、フィリピンでは従業員が10名未満の場合はこれを与える必要 はなく、仮に与えたとしても、勤続年数により日数が増えるということもありません。

最後に、一度定めた就業規則を修正したい場合につきお伝えします。就業規則を作成すること自体が会社の裁量事項であることは先ほどお伝えしたとおりですので、修正についても会社の裁量で行うことが可能であり、修正に際して従業員の同意を得ることは必要ありません。ただし、フィリピンでは、一度従業員が獲得した権利・利益を会社が一方的に縮小・廃止することは許されていませんので、ご注意ください。
 
 

結論

A.可能です。但し、婚姻前に公証を受けた上で登録する必要があります。

 

本稿においてフィリピン法に関する記載につきましては、Quasha Law法律事務所の監修を受けております。



- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

弊事務所は、下記のフィリピンの法律事務所と提携しており、フィリピン進出中の日本企業及び在留邦人の方々に日本語での法律面でのサポートを提供させていただいております。取扱業務:会社設立、企業法務、倒産、労務問題、税務問題、一般民事、相続等


Quasha, Ancheta, Peña & Nolasco
住所: Don Pablo Building 114 Amorsolo Street, 12290Makati City, MetroManila, Philippines
電話:02-8892-3011(代表)・02-8892-3020(日本語対応)・0917-851-2987
E-mail: [email protected]


- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

(左) 弁護士 上村真一郎
(右) 弁護士 鳥養雅夫
(桃尾・松尾・難波法律事務所)
〒102-0083
東京都千代田区麹町4丁目1番地
麹町ダイヤモンドビル
電話:+81-3-3288-2080
FAX:+81-3-3288-2081
E-mail: [email protected]
E-mail: [email protected]
URL: http://www.mmn-law.gr.jp/

広告

フィリピン法律あらかると 前回のコラム

フィリピン人との結婚を考えており、後々のトラブルを回避するために婚前契約の締結を考えていますが、フィリピンで婚前契約を締結することは可能ですか?

新着コラム

フィリピン法人(株式会社)において増資を考えていますが、どのような手続が必要ですか?
フィリピン人と日本人夫婦の協議離婚についての最高裁判決が出たとのことですが、どのような内容ですか?
フィリピンでの職場におけるハラスメントに関する法律はどのようなものがありますか?
日本で持っている登録商標をフィリピンでも保護したいのですが、どうすればよいですか?
日本では被疑者に警察などが接触せずにいきなり逮捕する場合がありますが(この場合、警察などが裁判所に逮捕状を請求して裁判所が逮捕状を発行し、その逮捕状を執行するという形での逮捕となります)、フィリピンでも日本と同様に被疑者がいきなり逮捕されるということはあるのでしょうか。本稿ではフィリピンでの逮捕の手続について解説させて頂きます。
フィリピン不動産賃貸ポータルサイト  |   フィリピン求人 ジョブプライマー  |   BERENTA:Find the condo that suite you  |   【フィリピン在住者向け】コンシェルジュ&会員制コミュニティ Barong Club
ページトップに戻る