『フィリピンでのフードビジネス』
今月の事例
フィリピンにおいて食品を扱う事業を行う法人を設立するに際しては、以下の登録および許可の取得が必要です。
(1)SECでの法人設立登録 (Certificate of Registration)
(2)BIRからの登録証明書 (Certificate of Registration)
(3)FDAからの営業許可書(License to Operate; LTO)
(4)LGUからの営業許可書(Business Permit)および衛生証明書(Sanitary Permit)
これらのうち、(3)および(4)の衛生証明書以外につきましては、食品ビジネスに限らずすべてのビジネスを行う法人を設立するに際して必要となり、食品ビジネスを行うに際しては追加で(3)のFDA(食品・医薬品管理局)からの営業許可書(LTO)およびLGUからの衛生証明書が必要となりますところ、本稿ではLTOにつき説明をさせていただきます。なお、食品に関するビジネスはネガティブリストの対象となっておりませんので、輸入食品の小売を行う法人は資本金を2500万ペソ以上とすれば単独資本で法人を設立することができます。
フィリピンでは、いわゆる2013年食品安全法(共和国法第10611号)に基づき、食品の安全な流通等を確保する目的から、加工食品その他食品を扱う事業者は、その事業を行うに際して保健省(Department of Health; DOH)の部
局である食品・医薬品管理局(Food and Drug Administration; FDA)から営業許可(LTO)を取得する必要があります。加工食品に関連するビジネスの場面でLTOが必要となる業態は、主なものとしては以下に分類するこ
とができます。
①t製造者(フィリピン国内において、加工食品を自ら製造する者)
②tトレーダー(原材料を自ら用意するものの、加工食品の製造については別の製造者に委託する者)
③t販売者(加工食品を自らは製造せず、フィリピン国内での販売、輸出入のみに携わる者)
なお、食品の輸入などを行わず、単に加工食品をフィリピン国内で仕入れてきて、それを小売りする場合(例えば、サリサリストアなど)、LTOの取得は不要です。他方、レストランなどの飲食業を行っている事業者が店舗で販売するお土産用食品などを日本から輸入して販売しようとする場合には、LTOが必要となります。
LTOの取得申請は現在はウェブ申請にて行うこととされており、申請の際は以下の情報等が要求されます。
・主要な事業に関する情報(会社の名称及び所在地、事業の種類、収入証明、有資格者のリスト等)
・事業所のロケーションマップおよびフロアプラン、賃貸借契約書
・取り扱い製品のリスト
もっとも、上記はあくまで法人の設立に関して必要な手続であり、実際に加工食品を輸入して販売する場合は、FDAにて各製品を登録し、登録証明書(Certificate of Product Registration; CPR)を取得する必要がある他、輸入に関する手続や店舗そのものに関する許可の取得等が必要となります。
結論
本稿においてフィリピン法に関する記載につきましては、Quasha Law法律事務所の監修を受けております。
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弊事務所は、下記のフィリピンの法律事務所と提携しており、フィリピン進出中の日本企業及び在留邦人の方々に日本語での法律面でのサポートを提供させていただいております。取扱業務:会社設立、企業法務、倒産、労務問題、税務問題、一般民事、相続等
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