フィリピン憲法の改定手続【フィリピン法律あらかると第百三十一回】
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『フィリピン憲法の改定手続』
今月の事例
Q.フィリピン憲法の改定手続について教えてください。
諸説ありますが、1935年に初めてフィリピンにおいて憲法が制定され、1973年にはマルコス大統領のもと、前憲法が制定されました。1986年2月のエドゥサ革命を経て成立したアキノ大統領のもと、1987年2月2日に行われた国民投票を経て現行憲法が成立しました。現行憲法と1973年憲法の大きな違いは以下のとおりです。
・前憲法における立法府は1院制だったが、現憲法では2院制を採用
・地方公共団体の権限を拡大する条項を新設
・社会正義、人権に関する新たな規定を創設
・国民の参加に関する新たな規定を創設
・非常時大権を制限する規定を創設
<憲法改定の手続>
次にフィリピン憲法の改定手続について説明させていただきますが、フィリピン憲法では、改憲を提案できるルートとして3種類を定め、いずれのルートにより憲法改定案が提案され、最終的には国民投票を経て憲法改定が成立することとしています(憲法17条)。3つの提案ルートとは以下の通りです。
1) 憲法制定議会(Constituent Assembly) による場 合:国会を憲法制定議会として開催し、全国会議員の4分の3以上の賛成により改憲案を提案する方法
2) 憲法制定会議(Constitutional Convention)による場合:全国会議員の3分の2以上の賛成により、または、全国会議員の過半数の賛成により憲法制定会議の招集の是非を国民投票にかけ、過半数の賛成を得た場合に招集された委員が憲法制定会議を開催し、改憲案を提案する方法
3) 国民発案(People’s Initiative)による場合:全登録有権者の12%以上、かつ、各選挙区の登録有権者の3%以上が改憲案を提案する方法
<一部改正と全面改正の違い>
以上の3通りの改憲案の提案方法が憲法上定められていますところ、①と②は、憲法の全面改定(Revision)の提案ができるのに対し、③の国民発案による方法は憲法の一部改正(Amendment)の提案のみが可能とされています。この一部改正とは、憲法の基本的な構造や理念を変更することのない、特定の条項の追加、削除及び変更を指すとされています。他方、①または②によることしかできない全面改正とは、憲法の構造、組織、または基本理念に実質的な書き換えや根本的な変更を加えることを指します。例えば、外国人に土地所有を許していない憲法12条4項の改正は、国家の経済・国有財産に関する重要な規定であると解されることから、ここでは全面改正に該当するものとされる可能性が高く、①または②のいずれかの方法によって提案されることが必要と思われます。
<国民による批准手続>
上記のいずれかの方法により提案された改憲案は、改憲案を国民投票にかけることが承認された日から60日から90日以内に実施される国民投票(Prebiscite)において、有効投票の過半数が賛成することにより、その後の必要な事務手続を経て成立します。
結論
A.憲法改定の提案方法として3種類がありますが、いずれの場合も国民投票による批准を経ることが必要です。
本稿においてフィリピン法に関する記載につきましては、Quasha Law法律事務所の監修を受けております。
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