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フィリピンでの従業員解雇について【フィリピンで役立つ!フィリピン法律あらかると第十四回】

『こんな従業員は解雇できますか?(1)』

  前回はマニラ空港での銃弾恐喝事件に従業員があってしまった場合の対処法についてお話させていただきました(前回のフィリピンあらかると に掲載されていますので、見逃された方は是非ご覧ください)。今回からはフィリピン人従業員を解雇することができるかどうかについてケースに分けてお話しいたします。


今月の事例

我が社には何度注意しても連絡なしの欠勤を繰り返す従業員がいます。ほかの従業員に悪い影響を与えますので、解雇したいのですが、解雇することは可能ですか?


フィリピンで解雇はできるか?

皆さんは、フィリピンでは一度正社員にしてしまうと解雇することはほぼ不可能であるという話を聞いたことがあるのではないでしょうか。確かに、フィリピンでは労働者の保護が手厚くされていることは事実ですが、解雇は決して不可能ではありません。ただし、解雇が有効とされるためには適法な解雇理由があることと、きちんとした解雇のための手続を取ることが不可欠です。これが整っている場合には仮に労働者が解雇を不当解雇であるとして争ったとしても会社側の主張が認められることになります。

フィリピンの労働法は労働者の解雇が認められる場合を規定しています。今回のケースはいわゆる懲戒解雇を認める条文(労働法297条)に該当するかということになります。労働法297条は以下の場合に労働者を解雇することができると規定しています。

(a)著しい非行又は雇用主の合法な命令に故意に従わなかった場合
(b) 著しいかつ常習的な職務懈怠
(c) 詐欺又は雇用主からの信頼を故意に裏切った場合
(d) 雇用主等に対して犯罪又は攻撃を行った場合
(e) 上記に類する行為があった場合


結論

就業規則に従って何度か注意や罰を与え、それでも改善が認められない場合には定められた手続を経ることにより解雇することは可能です。

本稿においてフィリピン法に関する記載につきましては、Quasha, Ancheta, Peña & Nolasco法律事務所の監修を受けております。



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弊事務所は、下記のフィリピンの法律事務所と提携しており、フィリピン進出中の日本企業及び在留邦人の方々に日本語での法律面でのサポートを提供させていただいております。取扱業務:会社設立、企業法務、倒産、労務問題、税務問題、一般民事、相続等


Quasha, Ancheta, Peña & Nolasco
住所: Don Pablo Building 114 Amorsolo Street, 12290Makati City, MetroManila, Philippines
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(左) 弁護士 上村真一郎
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フィリピン法律あらかると 前回のコラム

今回は昨年11月以降巷をにぎわせているマニラ空港での銃弾恐喝事件(Tanim Bala)に関連して、従業員が事件に巻き込まれたときにどうすればいいかについてお話しいたします。

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