日本を離れ、外国で暮らす私たちは、フィリピン以外の国の様子も興味津々!
世界各国で生活する日本人の方々の、その国ならではの暮らしをご紹介します。
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「遠いバカンスと遠き日の夏休み」
長く続いた冬の曇り空に打って変わり、青空が続く最近の天気。照りつけるような強い陽射を受けて弾けるように花々が咲き出した公園を散歩中、ふと周りを見渡してみれば、芝生に横たわって日光浴を楽しむ人の姿がちらほら・・・。何だか一気に夏に飛び込んでしまったような、スペインの春。
この頃になると、私の周りは心なしかソワソワしだします。みんなの口から揃って聞こえてくるのは、「今年のバカンスどう過ごす?」。スペイン人の夫も例に漏れず、まだまだ寒い2月の終わり頃から「今年はどこへ行こうか、休みはどれくらい取れるかな」と、数ヶ月先の遠いバカンスに胸を膨らませていました。
そんな夫の姿を見ながら、自分が過ごしてきた夏休みを思い返します。子供の頃は宿題に追われながらも真っ黒になるまで海にプールに体いっぱい楽しんでいたけれど、仕事に就いてからは冷房の効いた部屋で遅寝遅起き、一日中ゴロゴロするのが一番の楽しみだったっけ。スペインで夏を過ごすようになってから思います。・・・私、夏休みの過ごし方を忘れていたみたい。
スペインでの夏の定番「海」は、そんな子供の頃を思い起こさせます。砂浜で夏の強い日差しを全身に浴び、体が火照れば爪先まで見える美しい海に体を浸す。おなかが減ると砂浜へ上がり、自宅から持参した『ボカディージョ』というスペイン式サンドイッチを頬張る。食べ過ぎてビキニからポッコリとお腹が出ちゃっても誰も気にせず、そのままゴロンと砂浜で食休み。
年齢やシミや体型を気にしだしてからはシンプルに楽しむことが難しくなっていましたが、ここの海には子供みたいに老若男女みんなが楽しめる夏があります。
「今年の夏休みはどこへ行きたい?」再び夫が尋ねて来ます。スパにもテーマパークにも心を惹かれたけれど、「近場の海にでも行こうか」と答えた私。それを聞いて子供みたいな笑みを浮かべながら地図を開く夫。・・・まだ3月になったばかりのスペイン、午後のひとときです。
コラムニストプロフィール
セボジッタ
2008年にスペイン人の夫と結婚し、スペインでの生活を開始。写真とイラストでスペインの日常をつづる『ゆるゆるスペイン主婦日記』を更新中。
セボジッタさんのブログ
「ゆるゆるスペイン主婦日記」
http://ameblo.jp/yumeyumeyudannasaranuyou/