このところ、日系企業によるフィリピンの不動産開発事業計画発表が相次いでいる。
6月15日には、阪急不動産が「フィリピンの住宅デベロッパーであるPA アルバレス プロパティーズ(PA社、本社:ラグナ州)が推進するフィリピン・カビテ州ダスマリニャス市における戸建分譲住宅事業に参画する」と発表した。このプロジェクトは、開発面積約11へクタール、総戸数868戸(戸建:403戸、タウンハウス:465 戸)の戸建分譲住宅開発プロジェクトである。2017年10月頃より着工し、開発期間は約5年を予定している。フィリピン経済の今後を支える若年世代をターゲットとし、手の届きやすい価格で、質の高い住宅を提供して行く方針である。阪急不動産にとってフィリピンでの初の住宅事業である。
7月10日には、三越伊勢丹ホールディングス(三越伊勢丹HDS)と野村不動産が「フィリピン大手不動産会社のフェデラルランド と共同で開発するフィリピン・マニラ首都圏における大型の不動産複合開発案件について、概要が固まったためフィリピン競争委員会(PCC)への申請を行った」と発表した。3社は、合弁会社を設立し、マニラ首都圏タギグ市ボニファシオ・グローバル・シティ(BGC)地区に位置する、フェデラルランドが開発したグランド・セントラルパーク地域において、分譲住宅及び商業施設の不動産複合開発に共同で取り組んでいく。このプロジェクトは、分譲タワーマンション4棟と下層階での商業施設を組み合わせた開発であり、日系デベロッパーと日系小売企業参画によるフィリピンで初めての複合開発プロジェクトになる。
7月24日には、三井不動産が「三井不動産レジデンシャルとの共同出資会社三井不動産アジア(所在地:シンガポール)を通じて、フマニラ首都圏の最大の行政区であるケソン市で、分譲住宅事業「ジ・アートン」(総戸数1,706戸)に参画することを決定し、共同事業者である「ロックウエルランド」と、共同事業契約を締結した」と発表した。この事業は約1.8haの敷地に、3棟構成で総戸数1,706戸の分譲住宅とロックウエルランドが運営予定の商業施設が隣接する大規模複合プロジェクトである。総事業費は86億ペソ(約195億円)、三井不動産グループは20%の事業シェアとなる。