2020年1月10日
1月9日午後4時10分(現地時間)から約50分間、茂木敏充外務大臣は、訪問中のフィリピン・マニラにおいて、ロドリゴ・ドゥテルテ・フィリピン共和国大統領を表敬し、二国間関係、中東情勢、南シナ海を含む地域情勢について意見交換した。概要は以下のとおり。
1.冒頭、ドゥテルテ大統領は、茂木大臣をマニラに歓迎するとともに、日本による長年にわたる経済開発支援への感謝を述べ、とりわけ鉄道分野での協力に期待を表明した。これに対し茂木大臣は、鉄道建設等の協力案件の進展を歓迎しつつ、自然災害への対応にも日本の知見を活かしたい旨を表明した。
2.ミンダナオ和平に関しては、茂木大臣は、12月末を以て戒厳令が解除されたことや、モロ・イスラム解放戦線(MILF)元兵士の退役・武装解除活動が昨年9月に正式に開始したことを歓迎し、ミンダナオの人々が平和の配当を実感できるよう支援を強化していきたいと述べた。
3.茂木大臣は、昨年12月、スービック湾開発に向けた両国の協力が覚書の形にまとめられたことを歓迎し、スービック湾地域の経済発展の可能性を引き出すようなマスタープラン策定に向け、今後も緊密に連携していきたいと述べた。
4.茂木大臣は、1月8日にフィリピン政府が、東京電力福島第一原発事故を受けた日本食品の輸入規制を撤廃したことを歓迎し、福島県産をはじめとする日本の安全な食品がより多くのフィリピンの方々に届くことを期待すると述べた。
5.茂木大臣とドゥテルテ大統領は、多くのフィリピン人が住む中東における情勢について議論した。また、南シナ海問題を巡る問題についても、法の支配の重要性で一致し、今後も緊密に連携していくことで合意した。
6.北朝鮮による全ての大量破壊兵器及びあらゆる射程の弾道ミサイルの完全な、検証可能な、かつ、不可逆的な廃棄の実現、安保理決議の完全な履行が必要との認識を共有した。また、茂木大臣から、拉致問題の早期解決に向けた理解と協力を求め、ドゥテルテ大統領の支持を改めて得た。
7.茂木大臣は、両国関係が、ドゥテルテ大統領及び安倍総理のリーダーシップの下、更に幅広く多層的に発展を続けていくことへの期待を述べた(20年1月9日の日本外務省発表より)。