ヤクルトグループは、現在約40の国と地域で乳酸菌飲料を販売している。フィリピンでは、ヤクルト本社が40%出資するフィリピンヤクルト(持分法適用会社、所在地:首都圏マニラ市)が、1978年10月から販売を行っている。
すなわち、今年発売40周年を迎えるのである。海外発売時期としては、1964年の台湾、1968年のブラジル、1969年の香港、1971年の韓国とタイに次ぐ歴史を有している。現在は、「ヤクルト」と「ヤクルトライト」を製造販売している。
フィリピンヤクルトの資本金は18億ペソ、2016年末の従業員数は1,298人、ヤクルトレディは3,110人、取引店は15万1,721店に達している。工場はラグナ州カランバ市に立地している。
そして、日本と同基準の厳しい品質管理で製造された「ヤクルト」を1本8ペソ(約18円)いう低価格で提供してきている。したがって、「ヤクルト」は、安価な栄養食品となっており、庶民の強い味方として知名度も高くなっている。
ヤクルト本社の速報によると2017年(1月~12月)のフィリピンヤクルトの一日当り販売数量は前年比12.7%増の276万2千本に達した。
この販売数量は、海外市場では中国の700万3千本、インドネシアの529万4千本、韓国の357万3千本、メキシコの367万8千本に次ぐ世界第5位で、タイの221万1千本を上回っている。
また、フィリピンの前年比12.7%増という伸び率は、ベトナムの27.9%増、中国の20.2%増、インドの18.5%増、米国15.3%増に次ぐ5位であった。
ただし、ベトナム、インド、米国は市場規模が小さく、100万本以上の規模の主要市場においては、フィリピンは、中国に次ぐ第2位の伸びを示したといえよう。