2020年3月2日
フィリピンの代表的株価指数であるフィリピン証券取引所指数(PSEi)の2020年2月末(28日)終値は6,787.91ポイントとなり、前月末と比べて5.73%下落。年初2カ月間では13.15%の大幅下落となった。
前年末のモルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナルによるMSCI指数におけるフィリピンの比率変更の動きに続き、2020年に入ると、前年のGDPが5.9%と8年ぶりの低水準となったとの発表、政権の一部企業に対する圧力に伴う業績悪化観測や経済・投資活動不活発化懸念、タール火山噴火、新型コロナウイルス懸念など不透明感が強まり、市場センチメントが悪化した。新型コロナウイルス感染拡大が世界的なものになるとの懸念が高まった2月後半は下落ピッチが高まった。
2月26日には277.60ポイント急落、率にして3.86%という約6年半ぶりの大幅下落率を記録するとともに、7千ポイントの大台を大幅に割り込んだ。その後も急落が続き、2月末終値は、手許資料では、2016年12月27日の6,658.20ポイント以来、約3年2カ月ぶりの安値となった。
2カ月間の大分類セクター別指数については、全てが下落した。各セクターの下落率は大きい順に、鉱業・石油株(-20.27%)、金融株(-13.83%)、工業株指数(-13.32%)、持株会社株(-12.71%)、不動産株(-12.55%)、サービス業株(-11.74%)となっている。
2カ月間の1日当たり平均売買額は65億3,299万ペソで、前年同期の約87億ペソを大幅に下回った。外国人は163億ペソの売り越しとなり、前年同期の約287億ペソの買い越しからドラスティックな変化を見せた。外国人の売買額シェアは56%で、前年同期の55%から小幅上昇した。2月末のPSE時価総額は14兆9,290億ペソ、そのうち国内企業時価総額が12兆2,397億ペソであった。PSE算出のPSE取引所指数ベースの株価収益率(PER)は13.90倍となり、前月末の14.74倍、前年同月末の18.7倍から低下した(PSE取引記録などより)。