2021年6月17日
フィリピン統計庁(PSA)は6月16日、2020年のフィリピン旅行・観光産業の動向を発表した。それによると、2020年の旅行・観光直接粗付加価値額(TDGVA:名目ベース、以下同様)は前年比61.2%減の9,733億1,000万ペソと激減し、伸び率で記録の残る2000年以降で最悪、名目GDP(国内総生産)に対する寄与度も5.4%と2000年以降で最低となった。
2020年、観光・旅行業界は、全面的に、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミックの影響を受けた。2020年のインバウンド消費(訪比外国人・在外フィリピン人の国内観光における支出)は、前年比77.9%減の1,326億ペソと激減し、過去最悪の減少率を記録した。また、2020年のフィリピン輸出総額4兆5,184億ペソに占めるインバウン消費のシェアは2.9%と最も少なかった(前年のシェアは10.8%)。
フィリピン国民及び居住者による国内旅行・観光消費(海外旅行に付随して国内で支出するものも含め)は前年比82.3%減の5,569億ペソ。家計最終消費支出に占めるシェアは4.1%(前年のシェアは22.0%)。
一方、旅行・観光産業における雇用者数は推定468万人で、前年(572万人)から18.1%減少、国内の総雇用者数の11.9%を占めた。
以上の数値は国際基準に沿ったものであり、フィリピン観光サテライト勘定(PTSA)の最新データに基づいて見直しされている。PTSAはフィリピン統計庁(PSA)が観光省(DOT)、PSA観光統計省庁間委員会の協力を得て作成されている。