2021年11月25日
主要食品・飲料企業の2021年9カ月間(1月~9月)の決算発表が出揃った。2021年も長引く新型コロナウイルス感染禍やその対策としての断続的な地域隔離措置厳格化の影響を受けたが、巣篭り需要の寄与や比較対象となる前年同期が不振であったことの反動という要素もあって、総じて増収増益という結果となった。
家庭での食事や調理機会が増加したことで、内食用調理食材も提供するサンミゲルフーズ&ビバレッジ(証券コード:FB)は389%増益、ゴコンウェイ財閥傘下のユニバーサル ロビーナ(証券コード:URC)は38%増益となった。
特に、カップヌードルなど即席麺事業を展開する日清食品グループとURCとの合弁企業であるニッシン ユニバーサル ロビーナ(ニッシンURC)は絶好調であった2020年に続き二桁増益ペースを継続している。巣籠もり需要拡大の恩恵を享受した代表例といえよう。
同様に、ツナ缶詰大手のセンチュリー パシフィックフーズ(証券コード:CNPF)も二桁増収増益ペースを継続、RFMも小幅ながら増収増益となった。即席麺最大手であり、世界的な代替肉メーカーであるモンデ ニッシン(証券コード:MONDE)だけが大幅減益となったが、デリバティブ損失によるものであり、本業は堅調に推移した。
キリンホールディングスが約48%出資するサンミゲル ブリュワリー(SMB、サンミゲルビール)は13%増収27%増益となった。新型コロナウイルス感染再拡大、飲食店での定員規制、一時的な店内飲食禁止など依然抑制要因も多いが、低調であった前年同期からは急回復している。一方、洋酒のヒネブラサンミゲル(証券コード:GSMI)やエンペラドール(証券コード:EMP)は、巣篭り需要謳歌もあって、各々43%増益、25%増益となった。
エンペラドールは海外での売上増加も大きく寄与している。ココナツ製大手のアクセリウム・リソーシズ(証券コード:AXLM)も、健康志向の高まりもあって51%増益へと回復した。