2021年4月26日
日本政府観光局(JNTO)は4月21日、2021年3月の訪日外客数推計値を発表した。それによると、3月の訪日外客数は前年同月比93.6%減の1万2,300人にとどまった。これは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)感染拡大防止策の一環として観光目的の入国が引き続き認められていないこと、一部例外を除き国境を跨ぐ往来が停止されていることによる。COVID-19影響前の2019年3月と比較すると99.6%減になる。また、2021年第1四半期(1月-3月)の累計では、6万6,200人となり、前年同期比では98.3%減、2019年同期比では99.2%減に相当する。
2020年1月下旬以降のCOVID-19拡大により、多くの国で海外渡航制限等の措置が取られ、日本においても検疫強化や査証の無効化等の措置が取られた。7月下旬以降、観光目的の入国は認められないものの段階的にビジネス目的の入国が再開されていたが、12月下旬以降、日本において新規入国の一時停止や検疫強化等の措置が取られ、2021年1月中旬には全ての対象国・地域とのビジネストラック・レジデンストラックの運用が停止された。
3月に訪日外客数の多かった市場は、中国(4,000人)、韓国(2,000人)、インド(700人)、米国(600人)、台湾(600人)など。
フィリピンは200人であった(対前年同月比98.2%減、対2019年同月比99.6%減)。COVID-19の拡大により、日本政府による上陸拒否、14日間の隔離・PCR検査受診等、査証の効力停止等の対象となっている。2021年3月29日以降、変異種流行国として、当分の間、検疫所が確保する宿泊施設での3日間の待機等、検疫強化の対象となっている。日本への直行便は、2021年4月も引き続き大幅な運休・減便となっている。
2021年第1四半期の上位5市場は、ベトナム(2万4,000人)、中国(1万5,900人)、韓国(5,400人)、米国(2,200人)、インド(2,200人)。
フィリピンは1,400人で、インドネシアと並びASEAN加盟国ではベトナムに次いでいる。2020年第1四半期の訪日フィリピン人数は10万4,246人(2020年3月央から、地域封鎖による移動制限)、COVID-19前の2019年同期は11万9,434人だった。
JNTOは、「COVID-19の拡大により観光目的の国際的な移動に制約が続いており、感染状況の変化とともに各国の出入国規制や市場動向を引き続き注視していく必要がある」としている。