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「キリン一番搾り」絶好調、樽詰生ビール新発売

2019年9月23日

サンミゲルとキリン連携効果でSMB業績更に向上

 

キリンホールディングス(キリン)が48.39%出資しているサンミゲル ブリュワリー(SMB、以下、サンミゲルビール)は、2019年9月末から、マニラ首都圏マカティ市とボニファシオ・グローバルシティ(BGC)の飲食店向けに「キリン一番搾り樽詰生」の販売を開始する。

 今回の発売に際しては、顧客に常に鮮度の良い樽詰生ビールを提供できるよう、フィリピンでは初めてとなる10リットルという小容量樽(通常は20リットル、30リットル、50リットル等が主流)を採用するとともに、日本と同仕様の生ビール抽出機器や特製のピルスナーグラスを新たに採用している。また、取扱い飲食店には、クォリティーの高い日本品質の美味しい樽詰生ビールを提供するためのノウハウを伝授する「キリン・ドラフトマスターズ・スクール」(日本と同一カリキュラム)を受講してもらう。今月末からの取り扱い予定の飲食店は以下のとおりである。
 ・マカティ :和徳、川崎、京兎、鉄板大河内ロックウェル店、横浜ミートキッチン
 ・BGC       :おがわ、福田屋

 なお、フィリピンのビール市場は経済成長や所得水準の向上とともに年々拡大している。インターネット上の仮想大学「キリンビール大学」によると、フィリピンの2017年のビール消費量は前年比13.8%増の198万キロリットルと大幅増加、国別シェアは1.1%へと上昇(前年0.9%)、国別順位は19位で前年の24位から5ランク上昇している。

 その中でも、プレミアムビールカテゴリーは、ボリュームは小さいながらも、ここ数年、目覚ましい伸び率で成長を続けている。「キリン一番搾り」は、キリンホールディングス(キリン)がサンミゲル(SMC)に出資した翌年の2003年から販売開始された。 2018年12月には、麦芽由来のうまみ成分を増やしながら、バランスの良い香味へブラッシュアップを図り、一段と「上品な麦のうまみ」を楽しめる「新・キリン一番搾り」としてリニューアル発売された。

 それ以降、マニラ首都圏やセブを中心に、主要なスーパーやコンビニエンスストア、日本食を中心とした飲食店、主要ゴルフ場等での取扱いが急速に拡大している。2019年の年間販売数量はリニューアル前年(2017年)の2.5倍に達し、その勢いは今後さらに加速していくものと期待されている。

 なお、サンミゲルビール(SMB)は、2008年にサンミゲル(SMC)の国内ビール事業スピンオフで発足したが、2010年初にはサンミゲルの海外ビール事業も取得している。国内シェアは92.7%(2017年)と圧倒的な強さを誇っている。起源は1890年に東南アジア初のビール醸造企業として設立されたサンミゲルであり、1914年には上海、香港、グアムなどにビール輸出を開始した。そして、1948年には香港初のビール工場を設立するに至った。すなわち、約130年の歴史を有する老舗企業といえる。

 キリンは上記のように、当初はサンミゲル(SMC)への出資というかたちでフィリピンに進出した。その当時はSMC自身が国内ビール事業を行っていた。しかし、その後、国内ビール事業部門はサンミゲルビールとして分社化、サンミゲルビールは2008年5月12日にフィリピン証券取引所(PSE)に上場された。したがって、キリンは2009年前半に、保有していたSMC株式6億2,867万6,675株(発行済株式総数の19.91%)を売却、サンミゲルビール株式48.39%を取得したという経緯がある。サンミゲルビールはその後、PSEの浮動株式比率基準(最低10%)未達成で、2013年5月15日にPSEから自主的上場廃止、現在は非上場企業となっている。

 キリンの前身である麒麟麦酒株式会社の母体であるジャパン・ブルワリー・カンパニーの設立は1885年、「キリンビール」の発売は1888年であり、キリンは130年以上の歴史を有する。このように、130年前後の歴史を有する日比の代表的なビール企業の合弁であるサンミゲルビールの業績は非常に好調に推移している。2018年の売上高は14%増の1,292億ペソ、営業利益は13%増の353億ペソ、純利益は15%増の238億ペソと二桁増収増益であった。2019年も二桁増収増益ペースで推移している。

 

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