総合建設コンサルタントの長大がフィリピンのミンダナオ島ブトゥアン市で、2013年から進めているタギボ工業団地開発において、既に工業団地開発事業許可を取済みの特別目的会社(TAZC、Taguibo Agro-Industrial Zone Corporation)が、フィリピン経済特区庁(PEZA)) に提出した申請について、2017年7月28日付けにて登録審査を完了致した。
タギボ工業団地は、長大が並行して進めている複数の再生可能エネルギー事業や上水供給コンセッション事業よって安定供給される電力と工業用水を活かし、ミンダナオ島カラガ地域で生産される農林水産品の加工・出荷を行う拠点として、事業パートナーであるエクイパルコ・コンストラクション・カンパニー(エクイパルコ社)並びにツインピーク・ハイドロ・リソーシス・コーポレーション(ツインピーク社」と共に開発する低炭素型工業団地である。
PEZAのプラザ長官は昨年9月の就任時、ミンダナオ北東部(カラガ地域)の経済特区の開発を推進して行く事を表明しており、本プロジェクトはフィリピンの国策に合致したプロジェクトである。ミンダナオ島北東部に位置する同地域は、フードバスケットと言われるミンダナオ島から比国内大消費地であるマニラやセブへのアクセス面で優れた地域であるのみならず、日本を始めとするアジア太平洋諸国への海運上におけるミンダナオ島のゲートウェイとして地理的な優位性を有している。
タギボ工業団地の開発予定地が位置するブトゥアン市は、カラガ地域の拠点都市であると共にダバオ市、カガヤン・デ・オロ市及びスリガオ市を結ぶ国道の分岐点にある交通の要衝である。開発予定地は、同市土地利用計画で工業ゾーンに指定されるブトゥアン市タギボ地区で、開発面積約141haとして既に60%を取得済み、将来200haまで拡張する予定である。
カラガ地域は人口約260万人(比国統計庁、2015年)を抱え、年間1.2%の増加傾向であり、豊富な労働力がある地域で、初等教育から英語を学ぶ教育体制があることから、高等教育を受けていない労働者にも英語での会話が可能である。また、カトリック教徒が約95%を占め、宗教対立のリスクが極めて低い地域である。
同地域は、農林水産業を基幹産業とし、林業では、比国内最大の木材生産地(フィリピン全体の70%を生産)であり、その生産量は約59万トン(比国森林管理局、2015年)に達している。農業では、年間200万トン以上(フィリピン統計庁、2014年)が生産されており、主にココナッツ、米、バナナ、アブラヤシ、トウモロコシ等が生産されている。