【フィリピン経済ニュース】23年のペソ0.7%上昇、3年ぶり反発も上値の重い展開
2024年1月2日
12月は0.2%上昇、米早期利下げ観測浮上や季節要因で
フィリピン銀行協会(BAP)のペソ対米ドル為替データによると、2023年12月29日のペソ対米ドルレート終値は1米ドル=55.370ペソで、前月末から0.115ペソ上昇、率にして0.21%のペソ高となった。12月の終値ベースで最もペソ高となったのは7日の1米ドル=55.300ペソ。今年8月2日の終値55.190ペソ以来、約4カ月ぶりのペソ高水準となった。最もペソ安となったのは13日の1米ドル=56.055ペソだった。
12月は、米国の利上げ終了観測や早期利下げ期待、クリスマス休暇に向けての海外フィリピン人(OF)からの故郷への送金増加という季節要因などでペソが上昇基調となり、月間ベースで2カ月連続のペソ上昇となった。ただ、ペソ安要因も少なくないことから、ペソの上昇ピッチは緩慢であった。
2023年年間では0.70%のペソ高となった。年間ベースでは小幅ながら3年ぶりの反発となった。年間の終値ベースで最もペソ高になったのは2月3日の1米ドル=53.680ペソ、最もペソ安となったのは9月28日の1米ドル=56.980ペソであった。米国の景気や金融政策動向に大きく左右される展開であった。ペソは、フィリピンの高水準の貿易赤字などもあって上値も重い展開となっている。
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