2024年3月4日
総額2千億ペソ、テラソーラー株式40%を外資に売却意向
新興の太陽光発電企業SPニューエナジー(証券コード:SPNEC)は、配電最大手マニラ電力(メラルコ、証券コード:MER)の豊富なノウハウや資金力により、プロジェクト推進の加速化を図ろうとしている。
メラルコの発電子会社MGEN傘下の再生可能エネルギー開発企業であるMGEN リニューワブル エナジー(MGREEN)は、SPNECへ50.5%出資、子会社化した。MGREENは、2023年10月、SPNECおよびその親会社であるソーラー フィリピン パワープロジェクトホールディングス(SPH)との間で、SPNECの普通株式(1株当たり額面0.1ペソ)157億株および償還可能優先株式194億株を、合計159億ペソで引き受けることで合意した。そして2023年12月27日、159億ペソの支払いを完了、実質SPNECの支配株主となった。そして、12月27日に開催されたSPNECの取締役会において、メラルコ会長のマヌエル・パンギリナン氏はSPNECの会長兼社長兼CEOに選出された。
SPNECはメラルコグループの下で、中部ルソン島ヌエバエシハ州で世界最大級のテラ ソーラープロジェクト(3,500MW太陽光発電プラントと4,000MWの蓄電システムで構成)を推進しようとしている。現時点での投資額は約2,000億ペソと見積もられている。現時点では、3,500MW太陽光発電プランのうち、第1期(2,500MW)を2026年に完工、第2期(1,000MW)を2027年に完工することを目標としていると発表済みである。ただし、これらの完工目標は、規制など様々な条件、進行状況によって随時見直しが行われるとのことである。
投資金額が巨額なうえ、用地取得も完了していない。MGREENは、資金調達の一環として、テラ ソーラープロジェクトの推進企業であるテラ ソーラーフィリピン株式の40%を外資企業に売却するとともに、用地取得を進める方針である。
なおSPNECは、2021年12月17日にフィリピン証券取引所(PSE)メインボードに新規上場した。当時の社名はソーラーフィリピン ヌエバエシハ コーポレーションであった。その後社名変更や資本再構築などを行った。