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【フィリピンのITソリューション業界】ビジネスに役立つ情報やおすすめ企業をご紹介!
2021年09月16日更新

フィリピンプライマー最新号のビジネス特集では、フィリピンのIT ソリューション業界を特集!システムインテグレーション、ソフトウェア開発、ウェブ開発、ウェブデザイン、デジタルマーケティングなど、 多岐にわたる IT ソリューション業界で活躍する企業をご紹介します。



今回フィリピンのITソリューション業界のお話を伺ったのは、13年にわたり PSIA(フィリピンソフトウェア産業協会)の理事をおつとめの安部妙さん。

 

フィリピンでは、1980年代後半から30年以上日本企業のオフショアソフトウェア開発が行われてきました。 オフショア開発分野だけでなく、フィリピンでの商習慣などの違いなど、これからビジネス展開をお考えの方にも非常に役立つ情報をお聞きしました!

 

<安部妙さんプロフィール>

 



SpiceWorx Consultancy, Inc. President & CEO PSIA(フィリピンソフトウェア産業協会)理事

安部 妙さん Ms.Tae Abe-Abion

 


大手コンピューターメーカーの海外事業担当システムエンジニアを経て 1998 年に来比。アジア経営大学院(AIM)にて経営学修士取得、2001 年 SpiceWorx を起業。日比のビジネス、異文化コミュニケーションに精通し、在比日系企業のリーダーシップ研修や日本企業の海外派遣型グローバル人材育成プログラム実績多数。2009年から現在まで PSIA 理事。



 

比のITソリューション系業界の現状は?

 

私がお話しできるのは、 IT/BPM (Information Technology / Business Process Management) 産業についてです。 フィリピンにおける同産業の売上高は 2019 年の統計で263億ドル、GDP( 国内総生産 ) の約7.3%に相当し、フィリピン経済にとって非常に重要な産業です。そのうち11-15%がソフトウェア開発・テスト・保守や、IT サービスなどの受託サービスを中心とした IT アウトソーシング分野の売上となっています。 その9割前後は輸出売上げです。

フィリピンは、 日本向けのオフショア開発分野においても、ベトナム、ミャンマー、インドなどと並ぶアジア圏の拠点の一つとなっています。 フィリピンには、 英語ができ大学教育 ・ IT 教育をうけた人材が豊富です。 価格競争力もあります。 またフィリピンの国民性として、 チームワークに長け、 異文化の多様性に対する対応力やコミュニケーション能力が高い、 スピードと瞬発力があることもあげられます。

 

さらに、 国内の平均年齢が 24 歳と若いこともあって、 新しいことに適応性も高い、 グローバルに働くことにポジティブです。 それら成長の大きな要因となっています もちろん課題もあります。 まず IT人材が豊富な一方で、 産業界が必要とする技術の発展に教育が追いついていないことがあります。 また特に日系企業がフィリピンのオフショア開発企業に業務委託する際には、 日本語人材が少ないことがあげられます。

 

日系企業の中には自社内で日本語研修を行い対応しているところもありますが、 フィリピンにとっての第一のマーケットは北米を中心とした英語圏です。 日本語教育に熱心とは言い難い状況です。 ただ最近は日本人も英語でビジネスを行うことができる人材も増えてきていることを顕著に感じます。日本人の意識も変わりつつあるようです。

 

比企業、技術者との良好なビジネス展開に必要なのは?

 

私の会社で開催している異文化コミュニケーションのワークショップでもとりあげているのですが、まずフィリピンの人々と日本人では常識が異なることを知っておいていただきたいと思います。


たとえば日本ではいわゆる「報・連・相」が重視されており、進捗報告をこまめに行うことは当たり前です。 しかしフィリピンでは最初と最後の報告くらいが一般的。日本ほどこまめな報告を要求すると、 「マイクロマネジメント」 されていると感じたり、 自分たちを信用していないのかと反感を持たれてしまうこともあります。ではフィリピン流にすればいいのかというと、クライアントが日本の企業であれば、 進捗報告は必須で、 そうはいきません。そのトラブルを回避するためには、なぜそれが必要なのかを充分に説明し、理解を得た上で明文化し、合意しておくことが重要です。これは品質や納期についてもおなじです。



またフィリピンでは労働の流動性が高く、せっかく仕事を覚えても3~ 4年で転職してしまうことが頻繁にあります。ですから、誰かに依存する体制を作ってしまうと、その人が辞めることにより大きな損失を受けてしまいかねず、注意が必要です。 オフショア案件の発注先を選ぶ際には先方の離職率をチェックしたり、 離職によるリスクを回避する策を契約に含めたりすることを検討すべきだと思います。


あと一つ、 フィリピンでは、契約締結後に契約額の一部を前払金として要求されることがあります。日本では納入後の支払いが一般的ですので、 この点びっくりされる日系企業が多くいらっしゃいます。 ぜひ知っておいていただきたいことの一つです。



日本は、高い技術と品質意識をもち、 長期的な視点でビジネスを考えることに長けていますが、 高齢化と人口減少で IT 業界も非常に深刻な人材不足に直面しています。 片やフィリピンは品質意識と長期視点には頼りなさがあるものの、 若いエネルギーとスピード、 新技術習得への貪欲さ、 グローバルに活躍できる力をもっています。 実はフィリピンと日本は、 相互に補完できる存在であると感じます。 ご存知のとおりフィリピンは非常に親日的な国でもあり、 日本人とフィリピン人は一緒に仕事をする上での相性もとても良いです。



フィリピンの IT業界は、アプリケーションの開発保守、テスト、E-CommerceやFinTech、EduTech分野が強いと言われています。日本国内市場向けの開発案件をフィリピンにオフショア開発委託するシナリオだけではなく、フィリピンとうまく連携して日本企業がグローバル市場でのビジネスを成功させるシナリオを描いていただきたいと考えています。 それだけのエネルギーがフィリピンにはあります。

 

ソフトウェア開発や IT サービス分野で、 フィリピンヘのオフショアアウトソーシングをご検討されておられる方は、 PSIA会員企業が参加する展示会や商談会をご利用いただくのも良いと思います。 今年は 2月に JICA プロジェクトの支援でオンライン商談会を開催し、フィリピンから 37社が参加し、 100近くの商談が行われました。 10月にも 「ソフトウェア & アプリ開発展| Japan IT Week 秋」にリモート出展を検討しています。

 

 

 

フィリピンのITソリューション系企業紹介

 

KDDI Philippines Corporation / KDDI フィリピン

KDDI フィリピンは、1999 年よりKDDI のグループ会社としてフィリピンで事業を開始。現在 100 名規模のスタッフを抱え、IT ソリューションと内装事業を組み合わせることで、お客様のオフィスや工場の課題を丸ごと解決している。IT ソリューションにおいては、単純な機器販売だけではなく、設計、導入、保守までワンストップで提供。さらに昨今 IoT や Cloud、RPA といった最新技術も駆使し、お客様のビジネスそのものを変革させるデジタルトランスフォーメーション(DX)やスマートファクトリーの実現にも寄与している。

 

<問い合わせ先>
電話:(02)8887-2536
E-mail:[email protected]
WEB https://ph.kddi.com/
担当者:河本 利幸(Toshiyuki Kawamoto)

 

FUJIFILM Business Innovation Philippines Corp. / 富士フィルムビジネスイノベーションフィリピン

2021年4月に社名を「富士ゼロックス株式会社」から「富士フイルムビジネスイノベーション株式会社」に変更。以来、富士フイルムブランドのもとで、ドキュメント領域およびその周辺領域での総合メーカーとして、事業を行っている。

 

主に大手市場および中小規模事業所(SMB)市場向けに複合機・プリンターなどのオフィス機器を提供。また入出力業務ソリューションやクラウド・モバイルを活用したソリューション・サービスの展開を通じて、さまざまな業種や業務の特性に合わせて、課題解決型のドキュメントサービスを提供。お客様の課題解決として、システムインテグレーションやクラウドサービスによる付加価値の高いソリューションを提供し、顧客の業務効率化や増力化、働き方改革に貢献している。

 

<お問合せ先>

電話:(02) 8878-5200
E-mail:[email protected]; [email protected] 
WEB:https://www-fbph.fujifilm.com/
担当者:Joshua Hernandez

 

 

CCK City Netwowrk Inc. /シーシーケー・シティ・ネットワーク

1989 年にデータエンコードの請負会社として設立、2021 年現在日本国内 8、フィリピン2 ヶ所、バングラディッシュ 1 の拠点を展開。WEB システム、スマートフォンアプリ等一般的なソフト開発とともに、OCR、手書き書類のデジタル化のためのシステム開発も行う。android, iPhone, WEB アプリに対応したデジタル採点システムの開発、印刷業セールスマネージメントシステムの開発、デスクトップ作業を高能率化する RPA を利用した開発などニーズへのsolution は多種多様だ。25 名の開発スタッフと 120 名体制をもち、数万枚もの画像をデータ化し一つのシステムに纏め上げることも得意とする。

 

<お問合せ先>

電話:(02)5310 0435
E-mail:[email protected]
WEB:https://cck-citynetwork.com/
担当者:中杉功、Kimberly Ann David

 

そのほかにも様々な企業をこちらのページでご紹介しています!ぜひチェックしてみてください。

 

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